『史記』の入門書2冊 ― 2022年02月23日
『史記』(貝塚茂樹)と『司馬遷 史記の世界』(武田泰淳)で『史記』の表面を撫で、多少の関心を抱いて書店の棚を漫然と物色した。岩波文庫やちくま文庫の数巻に及ぶ『史記』本体をパラパラめくってみたが、やはり挑戦の意欲はわかない。
そして、「角川ソフィア文庫」と「ちくま新書」のやさしそうな2冊を見つけた。どちらか1冊を読もうと思案し、結局2冊とも購入した。
『史記(ビギナーズ・クラシックス 中国の古典)』(福島正/角川ソフィア文庫)
『現代語訳 史記』(大木康/ちくま新書)
どちらも短時間で読了できる読みやすい本である。
角川ソフィア文庫の『史記』は学習参考書のような構成になっている。まずはじめに特大活字の「読み下し」があり、小活字の「漢文」、大活字の訳文と続く。その後が本文の解説である。隋所にコラムも挿入されいて、わかりやすくて楽しい。
取り上げている原文は多くはないが、有名なサワリがいくつもある。登場する人物は伍子胥、信陵君(魏公子)、趙高、李斯、陳勝、呉広、項羽、劉邦などである。「鴻門の会」をやや詳しく紹介し、四面楚歌の「項羽の死」で終幕になる。半世紀以上昔の高校時代の漢文の授業をかすかに思い出した。
ちくま新書の『現代語訳 史記』は人物を「帝王」「英雄」「輔弼の臣下」「道化・名君・文学者」「刺客・反乱者」に分けて紹介している。登場人物は20人になる。「解説文と訳文」をくり返す構成で楽に読み進めることができた。本書の前に読んだ何冊かの概説書のおかげで、大半の人物と逸話が既知になっていたから読みやすかったとも言える。
入門書を読んでも、未だ『史記』の門前に佇んだままの気分ではあるが、『史記』は物語性のある史書だと感じた。
そして、「角川ソフィア文庫」と「ちくま新書」のやさしそうな2冊を見つけた。どちらか1冊を読もうと思案し、結局2冊とも購入した。
『史記(ビギナーズ・クラシックス 中国の古典)』(福島正/角川ソフィア文庫)
『現代語訳 史記』(大木康/ちくま新書)
どちらも短時間で読了できる読みやすい本である。
角川ソフィア文庫の『史記』は学習参考書のような構成になっている。まずはじめに特大活字の「読み下し」があり、小活字の「漢文」、大活字の訳文と続く。その後が本文の解説である。隋所にコラムも挿入されいて、わかりやすくて楽しい。
取り上げている原文は多くはないが、有名なサワリがいくつもある。登場する人物は伍子胥、信陵君(魏公子)、趙高、李斯、陳勝、呉広、項羽、劉邦などである。「鴻門の会」をやや詳しく紹介し、四面楚歌の「項羽の死」で終幕になる。半世紀以上昔の高校時代の漢文の授業をかすかに思い出した。
ちくま新書の『現代語訳 史記』は人物を「帝王」「英雄」「輔弼の臣下」「道化・名君・文学者」「刺客・反乱者」に分けて紹介している。登場人物は20人になる。「解説文と訳文」をくり返す構成で楽に読み進めることができた。本書の前に読んだ何冊かの概説書のおかげで、大半の人物と逸話が既知になっていたから読みやすかったとも言える。
入門書を読んでも、未だ『史記』の門前に佇んだままの気分ではあるが、『史記』は物語性のある史書だと感じた。
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