イランが舞台の『砂のクロニクル』は面白い ― 2026年02月14日
『砂のクロニクル(上)(下)』(船戸与一/小学館文庫)
2015年に71歳で亡くなった冒険小説家・船戸与一の『砂のクロニクル』を読んだ。この作家の作品を読むのは初めてだ。目まぐるしい展開のエンタメ上下2冊(約1600枚)を一気に読了した。
この小説を読もうと思ったのは舞台がイランと知ったからだ。今月(2026年2月)イラン旅行を予定していたが、イラン情勢で中止になった。旅行準備の気分でイラン関連本を何冊か読んできてイランへの関心が高まり、この小説を読みたくなった。
『砂のクロニクル』の単行本が出たのは35年前の1991年、ソ連解体や湾岸戦争の年だ。当時の世界情勢をふんだんに織り込んでいる。イラン革命の1979年頃から1991年まで、約12年間のイランを舞台にした、やや沈鬱な冒険活劇である。
この小説には「イランの革命防衛隊」「イランの革命委員会」「イランの人民戦線(フェダイン・ハルク)」「イランのクルド人ゲリラ」「イラクのクルド人ゲリラ」「独立を画策するアルゼバイジャン人」などが登場する。私はイラン関連本(『イラン現代史』、『物語イランの歴史』、『イランを知るための65章』など)を読んだばかりだったので、本の断片的知識が当事者の体験談で肉付けられていく感覚になり、とても興味深く読み進めることができた。
と言っても本書は完全なフィクションであり、IJPCを扱った『バンダルの塔』のようなモデル小説ではない。PFLPから人民戦線(フェダイン・ハルク)に派遣された日本人ゲリラ、一匹狼の日本人武器商人など、怪しげで魅力的な人物が登場する。ゴルゴ13を連想させる雰囲気もある。読了後に知ったのだが、船戸与一は別の筆名でゴルゴ13の原作をいくつも書いていたそうだ。
この小説は多彩な登場人物が繰り広げる「恋と革命」「愛と戦争」の物語であり、バイオレンスとSEXの冒険譚であり、「崇高な精神」や「観念」が挫折・破綻にさらされる悲劇でもある。登場人物はやや類型的だが、それが気になるような物語ではない。
2015年に71歳で亡くなった冒険小説家・船戸与一の『砂のクロニクル』を読んだ。この作家の作品を読むのは初めてだ。目まぐるしい展開のエンタメ上下2冊(約1600枚)を一気に読了した。
この小説を読もうと思ったのは舞台がイランと知ったからだ。今月(2026年2月)イラン旅行を予定していたが、イラン情勢で中止になった。旅行準備の気分でイラン関連本を何冊か読んできてイランへの関心が高まり、この小説を読みたくなった。
『砂のクロニクル』の単行本が出たのは35年前の1991年、ソ連解体や湾岸戦争の年だ。当時の世界情勢をふんだんに織り込んでいる。イラン革命の1979年頃から1991年まで、約12年間のイランを舞台にした、やや沈鬱な冒険活劇である。
この小説には「イランの革命防衛隊」「イランの革命委員会」「イランの人民戦線(フェダイン・ハルク)」「イランのクルド人ゲリラ」「イラクのクルド人ゲリラ」「独立を画策するアルゼバイジャン人」などが登場する。私はイラン関連本(『イラン現代史』、『物語イランの歴史』、『イランを知るための65章』など)を読んだばかりだったので、本の断片的知識が当事者の体験談で肉付けられていく感覚になり、とても興味深く読み進めることができた。
と言っても本書は完全なフィクションであり、IJPCを扱った『バンダルの塔』のようなモデル小説ではない。PFLPから人民戦線(フェダイン・ハルク)に派遣された日本人ゲリラ、一匹狼の日本人武器商人など、怪しげで魅力的な人物が登場する。ゴルゴ13を連想させる雰囲気もある。読了後に知ったのだが、船戸与一は別の筆名でゴルゴ13の原作をいくつも書いていたそうだ。
この小説は多彩な登場人物が繰り広げる「恋と革命」「愛と戦争」の物語であり、バイオレンスとSEXの冒険譚であり、「崇高な精神」や「観念」が挫折・破綻にさらされる悲劇でもある。登場人物はやや類型的だが、それが気になるような物語ではない。
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