那覇の桜坂劇場で「2つのゼロ年」を観た2026年02月09日

 いま、沖縄の那覇に来ている。のんびりした時間を過ごす心づもりだ。桜坂劇場で次の映画2本を続けて観た。

 『ドイツ零年』(監督:ロッセリーニ/1948年)
 『新ドイツ零年』(監督:ゴダール/1991年)

 この2本は「2つのゼロ年」と銘打って連続上演されていた。どんな映画か何の予備知識もないまま、ほとんど発作的にチケットを購入した。

 『ドイツ零年』は1948年(私が生まれた年だ)の映画だから、かなり古い。ロッセリーニという監督の名は聞いたことがあるような気がするが、その映画を観たことはないと思う。ゴダールの映画は学生時代(1960年代末)に何本か観ている。あの頃の学生にとって、ゴダールは観なければならない特別な存在の映画監督だった。

 『新ドイツ零年』というタイトルから、ゴダールがロッセリーニにインスパイアされてリメイクした映画だと推測し、この2本を続けて観るのは面白そうに思えたのである。

 『ドイツ零年』は、ナチス崩壊(1945年)後のベルリンの街を彷徨う少年を描いた映画だった。かなり衝撃的で面白かった。『新ドイツ零年』は、ベルリンの壁崩壊(1989年)後のベルリンを描いたコラージュ風のわけのわからない映画だった。ヘーゲル、ゲーテ、カフカなどなど断片的に織り込まれていて、相変わらずゴダールだなあと感心しながら観た。

 『新ドイツ零年』に『ドイツ零年』との共通点はあまり感じなかった。『ドイツ零年』は敗戦後のベルリンを少年が彷徨う。『新ドイツ零年』は、東ベルリンに潜伏していた老スパイが東ドイツ崩壊後に西をめざして旅する。映画のテイストはかなり異なる。

 映画を観た後、売店で『2つのゼロ年』という冊子を購入して読んだ。冊子には『新ドイツ零年』の採録シナリオも収録されている。この冊子を読んで、『新ドイツ零年』の内容がやっと把握できた。もう一度観ないと楽しめない映画だと思った。だが、いまのところ、もう一度観る予定はない。

 『ドイツ零年』で印象に残ったシーンは、総統官邸跡の廃墟を見物する進駐軍の兵士に、少年がヒトラー演説のレコードを販売するシーンだ。

 『新ドイツ零年』で印象に残ったのは、東から西に戻ってホテルに投宿した老スパイの質問に対して、若い女性従業員が「Arbeit macht freid (働けば自由になれる。アウシュヴィッツの看板)」と応えるシーンだ。

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