2年半ぶりに歌舞伎座に行った2022年06月10日

 歌舞伎座で「6月大歌舞伎」の第一部と第二部を観た。第三部は観なかった。歌舞伎座に行くのは2020年1月以来2年半ぶりである。劇場に入り、あの大きな舞台の前に広がる客席を眺め、客の入りが少ないなあと思った。よく見ると座席の三つに一つがテープで封印されていた。私は昨年初めから芝居をかなり観てきたが、大劇場でないせいか、このような座席の制限はなかった。あらためて、コロナ禍の興行へのインパクトがまだ続いているのだと認識した。

 歌舞伎座の昼の部では、コンビニの握り飯を持参して幕間に食べることが多い。今回も歌舞伎座地下のコンビニで握り飯を購入して入場した。ところが、座席もロビーも飲食禁止になっていた。仕方なく、一部と二部の合間に外の公園で握り飯を食べた。

 今回観た演目は次の通りだ。

 第一部
  菅原伝授手習鑑 車引
  猪八戒
 第二部
  信康
  勢獅子

 車引は活人画としての歌舞伎の楽しさ満喫できる。時平(猿之助)、松王丸(松緑)、梅王丸(巳之助)、桜丸(壱太郎)らの見得で決まる幕切れにうっとりした。

 信長の娘と政略結婚した家康の長男・信康に関しては、昔、井上靖の短篇「信康自刃」を読んだ記憶がかすかにあるだけだった。今回の舞台「信康」を観て、興味深い人物だと思った(史実ではなく解釈の話だが)。

 信康を演じる17歳の染五郎は今回が初主演だそうだ。信康の父・家康を染五郎の祖父・白鴎が演じている。17歳の染五郎の舞台を眺めていて、新たなスター誕生かなと感じた。私の世代にとって、染五郎という名からは若き日の白鴎の精悍な姿や若き日の幸四郎の色気が浮かび、それらが三重写しになる。歌舞伎役者の襲名とは不思議なものだと思う。

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