生演奏つき芝居『室温~夜の音楽~』は、よくわからなかった2022年06月29日

 世田谷パブリックシアターで『室温~夜の音楽~』(作:ケラリーノ・サンドロヴィッチ、演出:河原雅彦、出演:古川雄輝、平野綾、坪倉由幸、浜野謙太、長井短、堀部圭亮、他)を観た。

 2001年にケラリーノ・サンドロヴィッチが作・演出を手がけ、鶴屋南北戯曲賞を受賞したホラー・コメディと聞き、面白そうだと思ってチケットを手配した。

 田舎暮らしをしているホラー作家の家にいろいろな人が集まってきて、12年前に起きた殺人事件(被害者は作家の娘)の意外な真相があきらかになっていく……そんなストーリーである。

 確かにホラー・コメディなのだろうが、観劇後にすっきりしないものが残った。私には不自然な展開に思えたのである。もちろん、リアリズムの芝居ではないのでブッ飛んだ話でもかまわないのだが、話のつじつま合わせにワクワク・ドキドキや納得を感じることができなかった。私はこの芝居の戯曲を読んでいない。観落とした点があるかもしれない。

 公演パンフで作者は次のように語っている。

 〔「(…)出口をふさがれた笑いは、解放へと向かわず、気味の悪い後味が観客に蓄積されていく。」まさしくそうした後味を目指した作品なのであり、まったく意地が悪いと自分でも思うが(…)〕

 二階構造の舞台の仕掛けが面白い。一階部分は作家の家で、ここで話が進行する。二階部分はステージで生バンドが演奏をする。一階で演じていた役者が二階ステージに登場し、マイクの前で鮮やかなステップとともに歌を披露したりもする。ステージのプロジェクションマッピングに目を奪われる。この芝居の音楽は生演奏なのだ。ミュージカルではないが、音楽が大きなウエイトを占めている舞台である。

 実は、舞台を観終わっても私には『室温~夜の音楽~』というタイトルの意味がつかめていない。「室温」も「夜の音楽」もよくわからない。私の読解力不足は仕方ないが、あらてめてよく考えてみたい。

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