中高年4人兄弟の配役の妙『帰ってきたマイ・ブラザー』2023年04月06日

 世田谷パブリックシアターで『帰ってきたマイ・ブラザー』(作:マギー、演出:小林顕作、出演:水谷豊、段田安則、高橋克実、堤真一、池谷のぶえ、峰村リエ、寺脇康文)を観た。演劇の楽しさを満喫できるエンタメ劇である。

 40年以上昔に大ヒット曲を1本出しただけで消えた4人兄弟のコーラス・グループが、元マネージャーと長男の主導で再結成を図る話だ。時代は2023年春、つまり「いま」である。「コロナで大変だった」などの台詞も出てくる。

 場所は復活コンサート直前のホールの楽屋、なぜかそれは浦賀の客席300のホール、ペリー来航の神奈川県の浦賀である。

 4人兄弟の役者たちが豪華だ。長男・水谷豊(70歳)、次男・段田安則(66歳)、三男・高橋克実(62歳)、四男・堤真一(58歳)と、ちょうど4歳ずつ離れている。長男と四男は12歳違いだ。役者にアテ書きした台本だそうだ。4人兄弟の性格・雰囲気・年齢が4人の役者にマッチしている。

 兄弟がデビューしたとき、四男は16歳だった。解散までの活動期間は2年だから、四男役の堤真一の実年齢とぴったり一致する。さほど似ているとも思えない4人の役者が、それぞれに齢を重ねた本物の兄弟に見えてくる。

 芸能界を離れてからの40年間、一般の社会人として別々の人生を歩んできた4人兄弟が久々に再会する、という設定がいい。面白そうなドラマの始まりを予感させる。期待通りの面白い展開だった。ラストの4人のコーラスはサマになっていたし、カーテンコールでの出演者全員(7人)によるノリノリのGSナツメロも楽しかった。

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