『ロードス島攻防記』で聖ヨハネ騎士団の「その後」を知った ― 2021年05月19日
塩野七生氏の海戦三部作の2作目は、聖ヨハネ騎士団の拠点ロードス島がオスマン帝国に奪われる物語である。
『ロードス島攻防記』(塩野七生/新潮文庫)
11世紀に結成された聖ヨハネ騎士団は十字軍で活躍しイェルサエムに拠点を得る。しかし、13世紀末のイスラム勢の攻勢に敗北し、難民となってキプロス島に逃れる。その後、14世紀初めにロードス島を征服し、ここに拠点を築く(1308年)。本書が描く攻防戦によってロードス島を失うのは、それから200年以上後の1522年である。再び難民となった騎士団はマルタ島に拠点を移す。
今年初めに読んだ 『十字軍物語』(塩野七生) で聖ヨハネ騎士団の活躍に接していたので、彼らの後日談を語るこの歴史小説を興味深く読むことができた。
また、私は10年以上前に マルタ島観光 をしたことがあり、聖ヨハネ騎士団(マルタ騎士団)の武具などを展示した博物館や紺碧の海を臨む城砦を見学した。そのとき、この島を築いた聖ヨハネ騎士団についてもっと知りたいと思いつつ年月が経過した。本書によって、昔の宿題を果たした気分である。
マルタ島は小さな島だった。ロードス島はその5倍以上の面積で、沖縄本島より少し広い。この攻防戦は海戦の部分もあるがメインは陸戦である。この歴史小説で興味深かったのは城壁建築の技師に着目している点だ。騎士の物語だが、騎士と同等あるいはそれ以上に活躍するのが技師なのが面白い。
本書のエピローグによって、聖ヨハネ騎士団は18世紀末にナポレオンによってマルタ島を追放され、現在もローマ市内に治外法権の拠点があり、医療活動をしていると知って驚いた。マルタ島観光をした私は、そこに住む人々は騎士団の末裔だと思っていたが、早とちりだったようだ。
『ロードス島攻防記』(塩野七生/新潮文庫)
11世紀に結成された聖ヨハネ騎士団は十字軍で活躍しイェルサエムに拠点を得る。しかし、13世紀末のイスラム勢の攻勢に敗北し、難民となってキプロス島に逃れる。その後、14世紀初めにロードス島を征服し、ここに拠点を築く(1308年)。本書が描く攻防戦によってロードス島を失うのは、それから200年以上後の1522年である。再び難民となった騎士団はマルタ島に拠点を移す。
今年初めに読んだ 『十字軍物語』(塩野七生) で聖ヨハネ騎士団の活躍に接していたので、彼らの後日談を語るこの歴史小説を興味深く読むことができた。
また、私は10年以上前に マルタ島観光 をしたことがあり、聖ヨハネ騎士団(マルタ騎士団)の武具などを展示した博物館や紺碧の海を臨む城砦を見学した。そのとき、この島を築いた聖ヨハネ騎士団についてもっと知りたいと思いつつ年月が経過した。本書によって、昔の宿題を果たした気分である。
マルタ島は小さな島だった。ロードス島はその5倍以上の面積で、沖縄本島より少し広い。この攻防戦は海戦の部分もあるがメインは陸戦である。この歴史小説で興味深かったのは城壁建築の技師に着目している点だ。騎士の物語だが、騎士と同等あるいはそれ以上に活躍するのが技師なのが面白い。
本書のエピローグによって、聖ヨハネ騎士団は18世紀末にナポレオンによってマルタ島を追放され、現在もローマ市内に治外法権の拠点があり、医療活動をしていると知って驚いた。マルタ島観光をした私は、そこに住む人々は騎士団の末裔だと思っていたが、早とちりだったようだ。
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