雑草対策に挑んだが…2016年11月02日

 八ヶ岳南麓の山小屋の庭の空き地にブルーベリーを7本植えている。ブルーベリーは冬を越す前に根の周辺を木材チップで覆う。根の活動促進のための有機材マルチである。昨年まいた木材チップはかなり減少しているので追加しなければならない。

 ブルーベリーを植えている場所は元・雑草地帯なので、抜いても抜いてもすぐに雑草が生えてくる。そこで、今年は有機マルチ追加のついでに雑草対策もしようと思った。根元周辺以外の部分に防草シートを敷き、その上に木材チップをまくことにしたのだ。

 ということで、通販で購入した防草シートと木材チップを車に積み込み、先日、山小屋へ行き一仕事してきた。

 地面の雑草を根こそぎにして整地し、防草シートを敷くのは結構大変な作業だった。地面がいかに平らでないかを痛感した。

 そして、おのれの計画の杜撰さを思い知った。防草シートも木材チップも足らなくなったのだ。およその目分量で準備した材料は、実際に必要な量の半分ぐらいしかなかった。事前にきちんと計算するという当然の手順を踏まなかったことを反省した。

 材料を買い足して、近いうちにまた行かなければならない。

今年もまたトウモロコシを囓られた2016年08月03日

 八ヶ岳南麓の山小屋のささやかな畑で育てていたトウモロコシが今年も動物被害にあった。10日ほど前にジャガイモは無事に収穫でき、その時はトウモロコシは無事だった。しかし昨日、トウモロコシの収穫に行ったら数本が倒され、実が囓られていた。

 昨年、かなりの量のトウモロコシの実が囓られ、被害状況からハクビシンの仕業と判断し、まだ囓られていない実を新聞紙で巻いた。それで被害の拡大は抑えられた。

 今年は「ハクビシンなぜ逃げる」という名称の動物忌避剤を購入し、それをフェンスに吊して防御した。これで何とかなりそうだと期待していたが、楽観は裏切られた。

 昨年は立ったままの状態で実を囓られていた。今年は倒されている。ハクビシンではなく、タヌキなど他の動物の可能性もあるが、やはりハクビシンだろうと勝手に推測している。今年のトプモロコシの生育状況はイマイチで倒しやすそうに思えるし、ハクビシンにも大きいのや小さいのがいるはずだ。

 何よりも「ハクビシンなぜ逃げる」を吊した近くは被害がなく、そこから最も離れた場所が被害にあっているのだ。よく考えれば、トウモロコシの畝を囲むように動物忌避剤を吊すべきだったが、フェンス側にのみ吊し、その反対のフェンスの「内側」は無防備だったのだ。「内側」という概念は私の勝手な考えで、身軽なハクビシンにとっては「外側」も「内側」もあるわけがない。己の浅はかな頭の固さを呪うしかない。

 そんなわけで、今年もまた、まだ囓られていない残りの実を新聞紙で巻いて様子を見ることにした。

 とは言え、囓られたのは一部で、今回は約10本を収穫できた。それをわが木彫作品と並べて撮影することもできた。

ジャガイモOK --- 動物撃退成功か?2016年07月20日

◎ウルフピーの効果か?

 八ヶ岳南麓の山小屋の庭のささやかな畑が収穫期を迎え、昨日はインゲン、キュウリ、ジャガイモ、ブルーベリーを収穫した。

 昨年大半をイノシシに荒らされたジャガイモも今年は無事だった。イノシシ対策として、センサーライトを設置し、さらにウルフピーという動物忌避剤をフェンスに吊した。どちらが効果があったのかは分からない。

 ウルフピーとはオオカミの尿である。ネット検索でその存在を知り、通販で購入した。オオカミは日本にいないから輸入品だ。小さな穴のある容器にスポイトで小分けして使用する。

 私は、このウルフピーが効いたのではないかと考えている。以前、わが畑の隣家に犬のブリーダーが住んでいて、その頃は動物被害はなかった。何匹もいた犬は縄文時代の犬に近い特殊な犬種で、よく吠えていた。昼間は長いリードにつながれて屋外にいたが、高価な犬で盗難の恐れがあるため夜は屋内にいた。イノシシなどが出没する夜間、隣家の犬は屋内だったにもかかわらず、イノシシの被害はなかった。ということは、犬の臭いがイノシシを寄せ付けなかったと推定される。隣家の犬はオオカミに近い犬種とも言われていたので、オオカミの尿は効果がありそうに思えるのだ。

◎ハクビシンも撃退できるか?

 昨年はトウモロコシもハクビシンに囓られた。被害にあった時期は、実が大きくなりかかる今頃だ。ハクビシン対策についてもネット検索し、「ハクビシンなぜ逃げる」という直裁的な名称の動物忌避剤を購入し、これをフェンスにぶら下げた。成分は「天然植物エキス天然砂」とあり、よく分からないが、トウガラシのような強烈な臭いの粉が赤い不織布の袋に入っている。

 この動物忌避剤の効果は、収穫時期まで様子を見なければ分からない。

◎蜂の跋扈を許容

 イノシシ対策に設置したセンサーライトの近くに小さな蜂の巣ができ、数匹の蜂が舞っていた。蜂の巣はしょちゅうでき、発見するたびに除去しているが、今回は見逃すことにした。カボチャを植えているからである。

 野菜づくりのテキストによれば、カボチャには雄花と雌花があり、早朝に人工授粉せよと書いてある。花粉を媒介する昆虫類が多い場合は人工授粉の必要はないそうだ。わが畑は人間が常駐しているわけではないので、受粉は蜂たちにまかせるしかないと思い、蜂の巣を温存した。

イノシシ対策のセンサーライトを設置2016年05月09日

 5月8日、9日で八ヶ岳南麓の山小屋へ行き、畑仕事をしてきた。2週間前に植えたジャガイモは芽が出かかっているのが数本あるが、大半はまだ芽を出していない。

 昨年はジャガイモの大半をイノシシにやられた。今年はどうしたものかと思案し、ネットを検索していると、センサーライトが効果的との記事があった。

 昨年、イノシシ被害を免れた一部のジャガイモは山小屋の入口に近い場所に植えられていた。考えてみれば、そこはセンサーライトのカバーエリアだった。ちなみに、周辺に外灯などない山小屋では駐車スペースから入口までの間を照らすセンサーライトは必需品だ。

 イノシシ被害を免れたのは、イノシシが山小屋に近い場所を人間のテリトリーだと判断してくれたのではと、根拠のない身勝手な推測をしていたのだが、センサーライトのおかげだったのかもしれない。

 今年ジャガイモを植えた場所は山小屋側ではあるが、入口とは反対側なのでセンサーライトのカバーエリアではない。そこで、新たにセンサーライトを設置しようと考えた。その設置場所は電源から遠いので配線が面倒だなあと思いながらホームセンターのセンサーライト売場に行った。すると、乾電池で作動する製品があったので、迷わず購入した。

 ということで、今回はタネまきや畝作りなどの畑仕事に加えて乾電池式センサーライト設置の作業をした。作業というほどの手間ではなく1~2分で設置できた。夜になって試してみると、畑への侵入者に反応して点灯する。乾電池で点灯するLEDで、入口のセンサーライトに比べると光の強さはかなり劣る。

 はたして、この新兵器が効果を発揮するか否か。およそ2カ月先の収穫期には答が出る。

久々の畑仕事2016年04月26日

 4月22日から24日まで八ヶ岳南麓の山小屋で農作業をしてきた。久々に行ったので、畑には雑草がかなり生えてきていて、その除去作業が大変だった。

 昨年はジャガイモがイノシシに掘り返され、トウモロコシはハクビシンに齧られた。これら動物被害への適切な対策も思いつかぬまま、昨年と同じような野菜作りをすることにした。無為無策の成り行きまかせだ。

 今回の農作業では、ジガイモを植え付け、インゲンとトウモトシは半分だけ(それぞれ1畝ずつ)種を植えた。残りの半分は5月上旬に植える予定だ。その方が長い期間にわたって収穫できると考えたからである。

 昨年ジガイモを植えたのは4月上旬だったが、今年はウカウカしていて植え付ける時期が少し遅くなった。寒冷地だから問題はないと思う。連作障害を避けるため、ジャガイモの植え付け場所は山小屋側にした。昨年は山小屋から遠いフェンス側に植えたジャガイモがイノシシにやられた。今年は山小屋側なのでイノシシが遠慮してくれるのではないかと、根拠の薄い期待を抱いている。

山小屋に薪置き場を作った2015年11月19日

軒下に積んだだけの薪(上図)から、自作の薪置き場(下図)
 今週始め、約1カ月ぶりに八ヶ岳山麓の山小屋に行った。わが山小屋の標高は900メートルほどで、極端に寒冷なわけではない。まだ、電気ストーブでも大丈夫と思ったが、今回は薪ストーブを使った。薪ストーブを焚くと小さな小屋の室温は30度近くになった。窓から外気を入れて暑さをしのぎながらストーブを焚くというアホな状況で、東京より薄着ですごした。

 今回の山小屋行きの主目的は薪置き場の制作である。ストーブ用の薪は物置小屋の前に積んでいる。庇が大きいので雨に濡れる心配はない。しかし、この薪置き場にはいくつかの問題があった。

 薪は切り出してから最低1年以上は乾燥させなければならない。だから、薪置き場とは薪を乾燥させる場所でもある。新しい薪は乾燥するのを待ち、古い薪から消費していくのが望ましい。先入れ先出しである。しかし、軒下に積み上げただけの薪置き場では先入れ先出しが難しい。下の方に積まれた古い薪はいつまでも使われず、その上に積んだ新しい薪から使ってしまう後入れ先出しになりがちだ。

 また、庇が大きいので雨水が直接当たることはないのだが、雨が降るとテラスの脇から雨水が流れてくる。テラスに直接薪を積んでいるので、一番下の脇の薪は雨水で湿って苔が生えてくる。これはよろしくない。

 それに、単に薪を積み上げるのでは、山の形に積み上げることになり、あまり大量の薪を置くことはできない。

 そんなわけで、以前から薪置き場制作の必要性を感じ、近所の家の薪置き場を観察しながら構想を練っていた。そして今回、ついに薪置き場作りを敢行したのだ。当初は3ブロックの薪置き場と考えたが、材料費や手間を考慮して2ブロックに設計変更した。2ブロックあれば「消費用」と「乾燥用」に分けられる。また、薪置き場はレンガの上に置くので、テラスに流れてくる雨水が薪を濡らす問題も解消する。

 作業にあたって、想定外の苦労がいくつかあった。大きな工作物を一人で作るのは段取りが大変だったし、テラスが水平でないのは誤算だった。しかし、何とか1日で完成したことに私は満足している。

 写真の薪置き場は、作業場所を確保するために積み下ろした薪を、新しい薪置き場にそのまま積み上げただけで、薪の分類はできていない。時間がなかったので、分類は次回の作業になる。

「畑遊び」のソーカツ2015年09月16日

 先週、八ヶ岳南麓の山小屋に行った。夏も終わり、野菜の収穫も終息しつつある。この先、収穫できるのは、ジャガイモやトウモロコシの後地に時期をずらして種をまいたダイコンとカブだけだ。ナスがまだ収穫できるか否かはよくわからない。

 今年は、カボチャを初めて植えた。畑の小さなすきまに苗を3本植えたところ、ツルがどこまでも伸び続けるのに驚いた。教本には人工授粉しろと書いてあるが、そんな手間をかけなくても何とか収穫できた。戦中・戦後の食糧難の時代に、庭にカボチャを植える家が多かったと聞いたことがあるが、自分で栽培してみて何となく合点がいった。

 収穫を終えて、ソーカツすべきことがある。トウモロコシとインゲンで、「割り肥」と「全面施肥」の実験をしたのだった。厳密に管理した実験ではないので何とも言えないが、「割り肥」と「全面施肥」の差はほとんど感じられなかった。どちらも、ほどほどに収穫できた。

 昨年にくらべてキュウリが不作だったのは謎だ。私の栽培方法に問題があったのか自然環境が原因なのか、よくわからない。

 ある程度の対策をしておきながら、ジャガイモとトウモロコシが動物被害にあったことも反省しなければならない。想定できるリスクへの対応がおざなりなのはよくない。

 トウモロコシを齧ったのはハクビシンだろうと想定し、生育した実を新聞紙で巻いたところ、その後の被害はまぬかれた。来年もトウモトシを作るとすれば、どの段階で新聞紙を巻くべきかを判断しなければならない。もう少し調べる必要がある。

 私の野菜作りについて、友人の一人が「ああ、畑遊びね」と言った。その通りだとは思う。どんな遊びも、ある程度勉強しなければ面白くならない。、

トウモコシ無残 --- 犯人はハクビシンか?2015年08月04日

動物に齧られたトウモロコシ、新聞紙で雌穂を覆ったトウモロコシ
 八ヶ岳南麓の山小屋の庭に植えたトウモロコシが動物被害にあった。昨年もトウモロコシの一部に齧られた痕があり、シカではないかと推測し、今年はシカが越えらないと思われる高さのフェンスを巡らせた。先のブログにも書いたように、このフェンスは実質的にはスソ空きだったためイノシシにジャガイモを掘り返されたのだが、シカに対しては有効だろうと自負していた。しかしトウモロコシもやられてしまった。

 トウモロコシは1条10個、1畝2条植えで2畝、つまり40個植えた。畝ごとに10日置いて種を植えたので生育状況に差がある。今回、被害にあったのは生育した約10個で、皮がむしられ実が齧られていた。フェンスには特に異常はない。惨状から見て鳥害とは考えにくい。

 ネットでトウモロコシの動物被害を調べた結果、犯人をハクビシンと推定した。山小屋の近辺でシカを目撃することがあるので、シカを警戒していたのだが、トウモロコシがシカに齧られたという事例は少ない。ハクビシン、タヌキ、アライグマなどにトウモロコシの実を齧られることが多いようだ。タヌキやアライグマはトウモロコシを倒して実を食べるが、ハクビシンは倒さずに食べるらしい。わがトウモロコシは倒されていなかった。また、近所の市営温泉のロビーには捕獲したハクビシンの剝製を展示している。となると、ハクビシンが最も怪しい。

 ハクビシンは東京にも生息していて、ネコのように柱を登り、人家の屋根裏に棲みつくこともある。フェンスの杭など容易によじ登って越えてしまうだろう。やっかいな相手である。

 ハクビシンを撃退するには電気柵が有効らしい。電気柵は先日重大な人身事故があったばかりだし、ささやかなわが畑にそんな大がかりな仕掛けをする気にはなれない。そこで、ネットで紹介されていた次善の策を講じることにした。雌穂を新聞紙で覆って動物から隠すという方法である。

 動物の被害を免れたトウモロコシの中で毛が色づいているものは、すべて収穫し、残りの約10本には新聞紙をガムテープで巻きつけてみた。こんな状態で正常に生育するのか多少心配でもあり、激しい雨が降れば新聞紙はダメになりそうにも思える。新聞紙で覆うだけでハクビシンの襲撃をかわせるのかこころもとない。いずれにしても、近日中に結果が出るはずだ。

ジャガイモ無残 --- 動物対策フェンスのスキに反省2015年07月01日

「網の下部のレンガがずれたフェンス」「荒らされたジャガイモ」
 6月29日、八ヶ岳南麓の山小屋へ行ってみると、ジャガイモが動物に荒らされていた。

 今年は畑の周囲に動物対策フェンスを構築したので、シカなどの被害は免れるだろうと期待し、多少の自信もあった。しかし、ダメだった。何が侵入したのかは不明だが、おそらくイノシシだろう。

 フェンスはコの字型で、山小屋側は開口している。この開口部から侵入されたら仕方ないとは覚悟していた。こちら側には、人の夜間の出入りに必須のセンサーライトもあり、まあ大丈夫だろうと判断していた。

 ジャガイモは二箇所に分けて植えた。山小屋に近い開口部付近と山小屋から最も遠いフェンス深奥付近の二箇所である。

 今回行ってみると、山小屋に近い畝のジャガイモの葉は枯れかかっており、そろそろ堀り頃だなと思った。そして、奥のフェンス付近の畝を確認すると、驚いたことにジャガイモの茎はすべて押し倒され、掘り起こされ、あたりにはまだ青い小さなジャガイモが散乱している。

 動物にやられたと思い、あらためて周囲のフェンスを確認したが、棒杭もネットも元のままで、破られたり倒されたりはしていない。不思議である。コの字の開口部から侵入したのなら、まず、開口部のジャガイモが荒らされるはずなのに、その畝は無事で、フェンスで囲われた一番奥の畝のジャガイモだけがやられている。しばらく点検して、侵入口が判明した。フェンスのネットの下を潜って出入りしたようだ。

 棒杭を打ってネットを張るだけなら、ネットの下がスソ空きになって無用心なのは分かっていた。そこで、フェンスを構築する時、ネットと地面が接する部分に一列にレンガを敷き、ネットの下を地面に密着させた。一辺約8メートルのコの字型にレンガを並べたのだから、かなりの作業だったが、出来あがってみると結構な見栄えで自分なりに満足していた。

 被害にあってからよく見ると、レンガで押さえたはずのネットの下部がすべてレンガから外れていた。レンガで押さえただけのネットの下部は、非力な小動物の侵入なら防げても、イノシシのような大型動物に対して無力なのは、考えてみれば当然であった。見た目はレンガできちんと押さえられていても、人間が少し力を入れてネットを押せば、簡単にスソが空いてしまう。

 想像力を働かせればそんなことは容易に推測できたはずなのに、見た目で下部が閉じていることに満足し、機能を冷静に点検しなかったのが敗因だ。おのれの思慮の浅はかさを呪うしかない。

 イノシシの侵入を想定していなかったのなら「想定外」と居直ることもできる。しかし、動物対策フェンスを構築する前、近所の農家の人から「イノシシは金網フェンスの下を掘り返してイモを荒らしに来る」と聞いていたのだ。そんな情報がありながら、フェンスの下部にスキを作ってしまったのは、数年前にジャガイモを無事収穫した成功体験もあり、わが畑は大丈夫だろうと高をくくっていたのだ。以前のブログで「シカやイノシシなどの動物対策」と書いていながら、頭の中ではシカ対策がメインでイノシシのことはあまり考えていなかった。これまでに実害を被ったのがシカだけだったからだ。今回の被害は有用な情報を聞き流した報いだった。

 ジャガイモを荒らされて反省すべきは次の二つ。

 (1) 見た目にまどわされて実質が見えなくなってはダメ
 (2) 有用な情報を自分勝手に過小評価してはダメ

 六十代半ばを過ぎても反省の材料に事欠かないのは、反省を活かしてこなかったからか。

「割り肥」or「全面施肥」──ささやかな実験がスタート2015年05月08日

「割り肥」と「全面施肥」のインゲンとトウモロコシ。発芽している方が「割り肥」
 八ヶ岳南麓の山小屋で野菜作りの真似ごとを初めて4年になる。1カ月に1~2回しか行かないから、充分な手入れはできない。収穫できればラッキーと思って始めた手抜き菜園だが、これまでにインゲン、トウモロコシ、キュウリ、ナス、ジャガイモ、ダイコンなどの採りたてをそれなりに賞味してきた。

 周辺に野菜作りの先生はいない。数冊の入門書を頼りに種まき・施肥・間引きなどの作業をしてきた。入門書によって栽培法の説明が異なる箇所もあり、そこらは自分に都合よく解釈して自己流に進めてきた。

 特に「教え」の違いが大きいのは、種まきの際の施肥を「割り肥」にするか「全面施肥」にするかだ。「割り肥」は種をまく畝の下に肥料を埋めておく方法で、「全面施肥」は肥料を土に混ぜ込んで畝を作る方法だ。

 インゲンを例にとると、入門書Aには次のように書いてある。
  ・種まきの2週間前に石灰150~200g/㎡散布して耕す
  ・種まきの1週間前に堆肥2kg/㎡、化成肥料100g/㎡散布して耕す

 これが、入門書Bだと次のようになる。
  ・種まき前に、畝下40㎝に溝を掘って元肥(堆肥2kg/㎡、化成肥料100g/㎡、過リン酸石灰150g/㎡)を投入する。

 前者が「全面施肥」、後者が「割り肥」である。トウモロコシなどの解説にも同様の違いがある。他の入門書も当たってみると「全面施肥」の方が優勢に思える。しかし、私は「割り肥」を採用してきた。作業時間の制約が少ないからだ。「全面施肥」は種まきの1週間前に畑に行かねばならないが、「割り肥」だと種まきと同時作業ですむ。月1~2回しか畑作業をしない手抜き菜園には「割り肥」の方が都合がいい。

 これまで「割り肥」で通してきた私であるが、今年は「全面施肥」も採用することにした。4月下旬と5月上旬に山小屋へ行くことになり、中8日で畑作業ができるからだ。4月下旬に全面施肥すれば5月上旬に種まきができる。実験精神でこのチャンスを活かすことにしたのだ。

 実験対象はインゲンとトウモロコシとした。インゲンはこれまで順調に収穫できてきたが、トウモロコシは年によって実入りのよくないものもあった。両方とも入門書によって施肥方法の「教え」が異なる。

 インゲンもトウモロコシも2畝なので、1畝を「割り肥」、もう1畝は「全面施肥」とした。まず、4月下旬に2畝とも施肥し、「割り肥」の方には同時に種をまいた。そして5月上旬(正確には6日)に「全面施肥」の方に種まきをした。このとき、先に種まきをした「割り肥」の方はすでに発芽していた。

 正しく実験をするには、「割り肥」作業を5月上旬とし、種まきを同時期にそろえるべきだった。施肥方法以外の条件を同じにしなければ実験の意味がない。それが分かっていながら、あえて種まきの時期をずらしたのは、収穫期間が間延びして長期にわたって収穫物を賞味できればいいなという思惑があったからだ。実利第一で実験精神が二の次というところに、私のご都合主義的ないいかげんさがある。

 そもそも、「割り肥」と「全面施肥」の違いには根拠がある筈だ。「割り肥」は肥料を求めて伸びて行く根の力に期待し、「全面施肥」は根が素早く養分を吸収することを期待していると推察できる。ナスは入門書Aも入門書Bも「割り肥」だし、カブは入門書Aも入門書Bも「全面施肥」だ。入門書によって施肥方法の判断が異なる野菜があるのは、生物のいとなみの複雑さによるのだと思う。

 わが実験の厳密性に問題はあるが、夏の収穫時期にどんな結果が出るか楽しみだ。