フィールド調査の面白さが伝わってくる『南イタリアへ!』 ― 2024年07月07日
私は4年前の2020年5月「前田耕作先生と巡る古代史の旅 南イタリア11日間」というツアーに参加予定だった。だが、コロナでツアーは中止になり、前田先生は2022年10月に帰らぬ人になってしまった。
4年前のツアー準備の際に購入し、未読のままだった次の本を読んだ。来月(2024年8月)、南イタリアに行くことになったからである。
『南イタリアへ!:地中海都市と文化の旅』(陣内秀信/講談社現代新書)
1999年4月に出た新書で、私が入手したのは2018年の14刷である。カラー写真、地図、図解を多数収録している。旅への誘い本であり、旅の予定がなければひもとく気になりにくい。それ故に4年間未読のままだった。
読み進めながら、私が想定した内容とは少し違うと感じた。旅への誘いなのは確かだが、むしろ、建物や都市に関するフィールド調査報告風のエッセイなのだ。著者は建築学科の教授で、専門はイタリア建築史・都市史だそうだ。私のまったく知らない分野である。だが、このフィールド調査の過程の話がとても興味深い。
著者の関心は教会や城砦のような立派な建築物だけでなく一般人の住む住居へも及ぶ。また、都市や村落のたたずまいや全体像も調査対象だ。著者が関心をいだく歴史的建造物を住居として暮らしている人も多いので、住人と交渉して住居の内部も調査する。コミュニケーション力を発揮しなければ調査は進展しない。本書を読んでいると、著者とともにスリリングなフィールド調査に参加している気分になる。
本書後半のアマルフィの章には次のような記述がある。
「こんなに魅力的な所で、世界遺産にも選ばれている町なのに、旧市街の都市空間や住宅に関する調査研究は、驚くことにほとんど行われていない。(…)要するにイタリアには、価値ある歴史的な建築や都市が多すぎるのだ。」
ということで、著者のチームはアマルフィの調査に着手することになる。著者が面白いと思って調査対象に選ぶ都市は、どこも住民にホスピタリティがあり料理がおいしいそうだ。それは偶然でなく、相互につなっがっているという分析が面白い。
4年前のツアー準備の際に購入し、未読のままだった次の本を読んだ。来月(2024年8月)、南イタリアに行くことになったからである。
『南イタリアへ!:地中海都市と文化の旅』(陣内秀信/講談社現代新書)
1999年4月に出た新書で、私が入手したのは2018年の14刷である。カラー写真、地図、図解を多数収録している。旅への誘い本であり、旅の予定がなければひもとく気になりにくい。それ故に4年間未読のままだった。
読み進めながら、私が想定した内容とは少し違うと感じた。旅への誘いなのは確かだが、むしろ、建物や都市に関するフィールド調査報告風のエッセイなのだ。著者は建築学科の教授で、専門はイタリア建築史・都市史だそうだ。私のまったく知らない分野である。だが、このフィールド調査の過程の話がとても興味深い。
著者の関心は教会や城砦のような立派な建築物だけでなく一般人の住む住居へも及ぶ。また、都市や村落のたたずまいや全体像も調査対象だ。著者が関心をいだく歴史的建造物を住居として暮らしている人も多いので、住人と交渉して住居の内部も調査する。コミュニケーション力を発揮しなければ調査は進展しない。本書を読んでいると、著者とともにスリリングなフィールド調査に参加している気分になる。
本書後半のアマルフィの章には次のような記述がある。
「こんなに魅力的な所で、世界遺産にも選ばれている町なのに、旧市街の都市空間や住宅に関する調査研究は、驚くことにほとんど行われていない。(…)要するにイタリアには、価値ある歴史的な建築や都市が多すぎるのだ。」
ということで、著者のチームはアマルフィの調査に着手することになる。著者が面白いと思って調査対象に選ぶ都市は、どこも住民にホスピタリティがあり料理がおいしいそうだ。それは偶然でなく、相互につなっがっているという分析が面白い。
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