『3か月でマスターする世界史』のテキスト読んで番組再視聴 ― 2024年07月03日
Eテレの『3か月でマスターする世界史』が先月(2024年6月)完結した。30分12回の番組だった。私は録画して毎回視聴した。テキストも購入したが、パラパラとめくるだけだった。番組完結を機に、テキスト3冊をまとめて読み、録画していた番組(30分×12回=6時間)を一気に観返した。
『3か月でマスターする世界史』は、アジアから見た世界史である。私たちの頭に刷り込まれている西欧視点の世界史の見直しは、私の大いなる関心領域だ。数年前から、いくつかの関連書を読んできた。『遊牧民から見た世界史』(杉山正明)、『世界史の誕生』(岡田英弘)、『シルクロード世界史』(森安孝夫)、『ヨーロッパ覇権以前』(アブー=ルゴド)、『アジアの歴史』(松田壽男)、『世界史序説』(岡本隆司:このテレビ講座の講師)などである。
番組を観返して、アジアから見た世界史の全体的イメージがぼんやりと浮かんできた。オリエント地域で発生した文明は、ユーラシア大陸における農耕民と遊牧民の関わりのなかで発展・拡大した。それは、ユーラシア全体を交易で統合したモンゴルによって完成する。さまざまな事情でモンゴル帝国が瓦解し、モンゴル後継帝国の時代となる。東西の交易はムスリム商人や地中海の都市国家の商人らが担っていた。やがて、西端の後進地域だった西欧が航路の開拓によって東西交易に参入する。西欧はメキシコ銀山発見などの僥倖によって交易を拡大させ、西欧覇権の時代へと移行していく――大雑把に言えば、そんなイメージである。
テキストには番組が触れなかった事項も解説していて勉強になる。だが、テキストを読んだ後で番組を観返すと、テキストに書いていない話題も番組が取り上げていることに気づく。ゲスト講師とのディスカッションなどの興味深い話である。その部分もテキストに入れてほしかったと思う。
この番組によって、なるほどと思った知見は多い。そのいくつかを羅列する。
・アレクサンドロスは「アケメネス朝最後の王」だった。
・ローマはオリエントの経済基盤入手によって繁栄した。
・ローマとササン朝の争い→交易ルートがヒジャーズ地方へ→イスラムを胚胎
・西欧の大航海時代はオスマン帝国に地中海東の交易路をふさがれたのが契機。
・スペイン、ポルトガルは後ウマイヤ朝の遺産で大航海時代の覇者になれた。
・モンゴルの遺産と記憶がルネサンスをもたらした。
・日露戦争は第0次世界大戦だった。
・21世紀のイスラムは歴史上最も厳格化している。キリスト教が16世紀に経験した「宗教改革」の時代をいま迎えている。
『3か月でマスターする世界史』は、アジアから見た世界史である。私たちの頭に刷り込まれている西欧視点の世界史の見直しは、私の大いなる関心領域だ。数年前から、いくつかの関連書を読んできた。『遊牧民から見た世界史』(杉山正明)、『世界史の誕生』(岡田英弘)、『シルクロード世界史』(森安孝夫)、『ヨーロッパ覇権以前』(アブー=ルゴド)、『アジアの歴史』(松田壽男)、『世界史序説』(岡本隆司:このテレビ講座の講師)などである。
番組を観返して、アジアから見た世界史の全体的イメージがぼんやりと浮かんできた。オリエント地域で発生した文明は、ユーラシア大陸における農耕民と遊牧民の関わりのなかで発展・拡大した。それは、ユーラシア全体を交易で統合したモンゴルによって完成する。さまざまな事情でモンゴル帝国が瓦解し、モンゴル後継帝国の時代となる。東西の交易はムスリム商人や地中海の都市国家の商人らが担っていた。やがて、西端の後進地域だった西欧が航路の開拓によって東西交易に参入する。西欧はメキシコ銀山発見などの僥倖によって交易を拡大させ、西欧覇権の時代へと移行していく――大雑把に言えば、そんなイメージである。
テキストには番組が触れなかった事項も解説していて勉強になる。だが、テキストを読んだ後で番組を観返すと、テキストに書いていない話題も番組が取り上げていることに気づく。ゲスト講師とのディスカッションなどの興味深い話である。その部分もテキストに入れてほしかったと思う。
この番組によって、なるほどと思った知見は多い。そのいくつかを羅列する。
・アレクサンドロスは「アケメネス朝最後の王」だった。
・ローマはオリエントの経済基盤入手によって繁栄した。
・ローマとササン朝の争い→交易ルートがヒジャーズ地方へ→イスラムを胚胎
・西欧の大航海時代はオスマン帝国に地中海東の交易路をふさがれたのが契機。
・スペイン、ポルトガルは後ウマイヤ朝の遺産で大航海時代の覇者になれた。
・モンゴルの遺産と記憶がルネサンスをもたらした。
・日露戦争は第0次世界大戦だった。
・21世紀のイスラムは歴史上最も厳格化している。キリスト教が16世紀に経験した「宗教改革」の時代をいま迎えている。
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