長いトンネルを戻ると雪国であった2023年02月11日

越後湯沢の一本杉スキー場
 車で越後湯沢へ行き、2泊して昨日帰京した。

 関越道の関越トンネルを抜けると越後湯沢である。雪のシーズンに関越トンネルを抜けるたびに「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。」が頭に浮かぶ。川端康成の名文は鉄道の清水トンネルだが、トンネルの長さは往時の清水トンネルより関越トンネルの方が少し長い。

 長いトンネルを抜けて別世界に出る――それは心ときめく体験である。だが、今年の往路は、たまたま越後湯沢の雪の少ない日にあたり、トンネルを出たときの反射的な「雪国だ!」という感動は薄かった。その代わり、帰路が「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。」という状態だった。面白い逆転である。

 こういう逆転体験は脳への刺激になりそうな気がする。何故か近頃、脳に刺激を与えることを、いろいろ急かされているような気がする。後期高齢者直前の私が、そんな記事や番組に無意識のうちに引き寄せられているだけかもしれないが……。

 いずれにしても「長いトンネル」は異世界へ赴く格好の道具である。過去や未来につながるタイムトンネルSFは多い。元の場所に戻るトンネルというのもあった。長いトンネルを抜けて、どんな光景に出会うと脳の刺激になるだろうかと、いろいろ考えてみたが陳腐なものしか思いつかない。トンネルを抜けると逆走していた、なんてのは怖い。

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