ライブハウスの芝居で筒井康隆の先見性を感じた ― 2026年10月09日
南青山のライブハウスMANDALAで筒井康隆の『如菩薩団』が原作の芝居『やむなしぃ~』(翻案・演出:小川結子、出演:市川恭之介、太田旭紀、堤和悠樹、寺村恵理加、ばばゆりな、丸山夏歩、髄、小川結子)を観た。筒井康隆の傑作短編の舞台化だと知ってチケットを手配した。私には未知の若い人々による作品である。
前半は音楽ライブで、芝居のテーマソングを含めて3曲の演奏があった。ワインを飲みながら演奏を聞いているとまさにライブハウス気分になる。続いて同じメンバーによる芝居が始まった。ライブハウスだから舞台装置はない。8人の役者たちは、パイプ椅子、ハンガー、ハンガーラックなどを駆使して、ステージだけでなくフロアや通路で芝居を展開する。テント芝居とは違う臨場感がある。
『如菩薩団』とは中流家庭の上品な主婦たちによる強盗団である。昼間、PTA役員を装って高級邸宅に入り込み、女主人や女中を縛り上げ、現金・食品・下着などを盗む。宝石などの高級品には手を出さない。足がつくからだ。つましい物品や現金を、家計の足しにするために8人で山分けにするだけである。口封じのため女主人や女中は殺す。何度も繰り返しているので殺人技術は鮮やかだ。コスパの悪い殺人に思えるが、ペイする殺人があるわけでもない。印象に残る怖い短編である。
『如菩薩団』の舞台化で『やむなしぃ~』と名付けたのは、やむを得ない犯罪の含意だろう。テーマソングを聞くと「やむことがない」の意味も含めているようだ。若い役者やミュージシャンたちがこの芝居を演じるのは、やはり現代にマッチしていると感じたのだと思う。舞台を観ながら、あらためて筒井康隆の先見性に思い至った。
筒井作品にはネットやメディアの現状を予見したような『48億の妄想』『おれに関する噂』などがある。『如菩薩団』も、中流層の貧困化と格差拡大、トクリュウなどの現状を予見した作品に見えてくる。
前半は音楽ライブで、芝居のテーマソングを含めて3曲の演奏があった。ワインを飲みながら演奏を聞いているとまさにライブハウス気分になる。続いて同じメンバーによる芝居が始まった。ライブハウスだから舞台装置はない。8人の役者たちは、パイプ椅子、ハンガー、ハンガーラックなどを駆使して、ステージだけでなくフロアや通路で芝居を展開する。テント芝居とは違う臨場感がある。
『如菩薩団』とは中流家庭の上品な主婦たちによる強盗団である。昼間、PTA役員を装って高級邸宅に入り込み、女主人や女中を縛り上げ、現金・食品・下着などを盗む。宝石などの高級品には手を出さない。足がつくからだ。つましい物品や現金を、家計の足しにするために8人で山分けにするだけである。口封じのため女主人や女中は殺す。何度も繰り返しているので殺人技術は鮮やかだ。コスパの悪い殺人に思えるが、ペイする殺人があるわけでもない。印象に残る怖い短編である。
『如菩薩団』の舞台化で『やむなしぃ~』と名付けたのは、やむを得ない犯罪の含意だろう。テーマソングを聞くと「やむことがない」の意味も含めているようだ。若い役者やミュージシャンたちがこの芝居を演じるのは、やはり現代にマッチしていると感じたのだと思う。舞台を観ながら、あらためて筒井康隆の先見性に思い至った。
筒井作品にはネットやメディアの現状を予見したような『48億の妄想』『おれに関する噂』などがある。『如菩薩団』も、中流層の貧困化と格差拡大、トクリュウなどの現状を予見した作品に見えてくる。

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