ギメ美術館創始者の本を読み、テレビ番組を観た ― 2021年06月11日
友人からのメールで、NHK BSプレミアムで『海を渡った600体の神仏 明治9年エミール・ギメが見た日本』という番組が再々放送されるとの情報を得て、2年前に購入して未読のままの次の本を想起した。
『明治日本散策:東京・日光』(エミール・ギメ/岡村嘉子訳/角川ソフィア文庫)
私はフランスに行ったことはない。だが、彼の地にあるギメ東洋美術館には関心がある。実業家ギメの収集品を中心にした美術館である。
録画した番組の冒頭部分を少しだけ観て中断した。この機にまずは『明治日本散策:東京・日光』を読み、読んでから観る方がよかろうと判断したのである。
ギメは1876年(明治9年)に画家レガメを伴って来日し、約2カ月滞在している。本書はギメの日本における見聞録で、レガメの挿絵が多数収録されている。「散策」というタイトルから名所旧跡や風俗に関する気軽な旅日記を連想したが、そんな予断とはやや異なる内容だった。名所旧跡の背景にある伝説や物語の紹介に多くのページを割いているのだ。
横浜に上陸し、開通したばかりの鉄道に乗ったギメは品川で下車し、徒歩で目当ての泉岳寺に向かう。そこで語られるのは、かなり詳しい忠臣蔵の物語であり、史実と芝居の関係も紹介している。本書冒頭でいきなり浅野内匠頭や高師直が登場し、いささか驚いた。ギメは事前勉強をしているうえに、各地で伝承などを貪欲に取材している。
そんな本書を読了し、テレビ番組『海を渡った600体の神仏 明治9年エミール・ギメが見た日本』を観た。2003年に放映された番組だそうだが『明治日本散策』に書かれていない事項も多く紹介されていていて面白かった。当時の廃仏毀釈について『明治日本散策』では間接的に触れているだけだが、テレビを観て廃仏毀釈がギメの仏像収集の大きな要因だったとわかった。
『明治日本散策』のなかで面白かったのは、ギメとレガメが異能の画家・河鍋暁斎を訪問し、レガメが暁斎の肖像を描き、そのレガメの姿をまた暁斎が描くシーンである。ギメは「まさにこれは決闘なのだ!」と興奮している。テレビ番組ではこの「決闘」を俳優による再現映像で見せてくれた。感動した。
『明治日本散策:東京・日光』(エミール・ギメ/岡村嘉子訳/角川ソフィア文庫)
私はフランスに行ったことはない。だが、彼の地にあるギメ東洋美術館には関心がある。実業家ギメの収集品を中心にした美術館である。
録画した番組の冒頭部分を少しだけ観て中断した。この機にまずは『明治日本散策:東京・日光』を読み、読んでから観る方がよかろうと判断したのである。
ギメは1876年(明治9年)に画家レガメを伴って来日し、約2カ月滞在している。本書はギメの日本における見聞録で、レガメの挿絵が多数収録されている。「散策」というタイトルから名所旧跡や風俗に関する気軽な旅日記を連想したが、そんな予断とはやや異なる内容だった。名所旧跡の背景にある伝説や物語の紹介に多くのページを割いているのだ。
横浜に上陸し、開通したばかりの鉄道に乗ったギメは品川で下車し、徒歩で目当ての泉岳寺に向かう。そこで語られるのは、かなり詳しい忠臣蔵の物語であり、史実と芝居の関係も紹介している。本書冒頭でいきなり浅野内匠頭や高師直が登場し、いささか驚いた。ギメは事前勉強をしているうえに、各地で伝承などを貪欲に取材している。
そんな本書を読了し、テレビ番組『海を渡った600体の神仏 明治9年エミール・ギメが見た日本』を観た。2003年に放映された番組だそうだが『明治日本散策』に書かれていない事項も多く紹介されていていて面白かった。当時の廃仏毀釈について『明治日本散策』では間接的に触れているだけだが、テレビを観て廃仏毀釈がギメの仏像収集の大きな要因だったとわかった。
『明治日本散策』のなかで面白かったのは、ギメとレガメが異能の画家・河鍋暁斎を訪問し、レガメが暁斎の肖像を描き、そのレガメの姿をまた暁斎が描くシーンである。ギメは「まさにこれは決闘なのだ!」と興奮している。テレビ番組ではこの「決闘」を俳優による再現映像で見せてくれた。感動した。
最近のコメント