今年は安部公房生誕100年2024年02月25日

 『芸術新潮 2024年3月号』は安部公房特集である。表紙に「生誕100年記念特集 わたしたちには安部公房が必要だ」とある。私は安部公房ファンだった。全集も購入した。だから、この雑誌をすぐに購入した。

 安部公房の作品はほぼすべて読んでいるはずだが、この10年、再読はしていないと思う。だから、現在も安部公房ファンかは微妙である。一昨年出た『壁とともに生きる:わたしと「安部公房」』(ヤマザキマリ)などは面白く読んだ。私にとって気がかりな作家であり続けているのは確かだ。

 『芸術新潮』の安部公房特集は約60ページ、雑誌の半分を占めている。解説記事の他に安部公房のエッセイ6編を収録、関連写真も多数載っている。安部公房自身が撮影した『都市を盗る』と題する写真もある。どれも私には懐かしい写真ばかりで、久々に安部公房世界に浸った。

 この特集に接して、都市という状況への安部公房のこだわりをあらためて認識した。先日、『箱男』映画化の新聞記事を読んだ。この特集には、その映画の石井岳龍監督のインタビュー記事も載っている。すでに映画は完成し、公開準備中のようだ。

 10年前、山口果林の『安部公房とわたし』を読んだとき、『箱男』を再読せねばと思った。だが、果たしていない。映画を観る前には再読したい。生誕100年をむかえ、安部公房への注目が集まればうれしい。いずれ、再挑戦したい作家である。

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