東洋文庫で「シルクロードの旅展」を観た2022年04月21日

 東洋文庫ミュージアムで開催中の「シルクロードの旅展」に行った。研究所・専門図書館として名高い東洋文庫に初めて足を踏み入れた。ミュージアムの展示室への入口には巨大な書庫がある。三方の壁の天井までに並んだ本に圧倒された。ロンドンタイムス通信員のモリソンが収集した東洋に関する書籍(主に欧文)約2万4千冊を、1917年に三菱第三代当主が一括購入した「モリソン書庫」だそうだ。壮観である。

 「シルクロードの旅展」の展示品は主に本である。該当ページを開いた状態で展示しているが、漢文や欧文のものが多く、私には読めない。だが、解説パネルが充実していて、十分に楽しめた。この展示は次の六つの章で構成されている。

 第一章 シルクロードとは?
 第二章 シルクロードは宗教の道?
 第三章 騎馬遊牧民の出現 ― スキタイ・匈奴と漢王朝(3世紀まで)
 第四章 鮮卑・突厥・東ウイグル(4~9世紀)
 第五章 国際人ソクド
 第六章 オアシス諸都市と隋・唐・宋・元

 まさにシルクロードに関する教科書のような展示である。本という現物を眺めつつ解説パネルを読み進めると、勉強している気分になる。シルクロードに関心のある私には、知識の整理に役立つ意義深い展示だった。