初春大歌舞伎の「女殺油地獄」に引き込まれた ― 2026年01月05日
歌舞伎座で初春大歌舞伎の「昼の部」と「夜の部」を通しで観た。演目は以下の通りだ。
《昼の部
當午歳歌舞伎賑(あたるうまどしかぶきのにぎわい)
〈正札附根元草摺〉
〈萬歳〉
〈木挽の闇爭〉
蜘蛛絲梓弦(くものいとあずさのゆみはり)
実盛物語(源平布引滝)
《夜の部》
女暫(おんなしばらく)
鬼次拍子舞(おにじひょうしまい)
女殺油地獄(おんなごろしあぶらのじごく)
昼の部の1番目は曾我兄弟の仇討ちをベースにした祝祭的な演目で正月気分になる。「蜘蛛絲梓弦」は尾上右近が八変化の早替わりで楽しませてくれる。七変化までは女郎蜘蛛の精が化けた魔物だが、最後の変化は女郎蜘蛛を退治す武将だった。
昼の部最後の「実盛物語」は有名な演目だが私は初見だ。かなりヘンな話である。
夜の部の1番目は荒事の「暫」を女形が演じるという不思議な趣向で、本来は團十郎が演じる特徴的な大きな四角の大紋袖の姿で女形の中村七之助が登場した。見栄を切ったあと「ああ恥ずかしい」とつぶやくのが面白い。ラストの六方では、中村七之助のSOSに応じて舞台番の松本幸四郎が現れて七之助に六方を教えるという楽屋落ち的な芝居で笑わせてくれた。
今回の観劇の私の目当ては夜の部最後の「女殺油地獄」である。近松門左衛門のこの高名作品を私はまだ舞台で観ていなかった。観劇前に台本は読んだ。今回の公演は与兵衛(殺す役)とお吉(殺される役)がダブルキャストで、Aプロは松本幸四郎と坂東新悟、Bプロは中村隼人と中村米吉である。私が観たのはBプロだ。
若い中村隼人が演じる「女殺油地獄」は緊張感と迫力があり、とてもよかった。目出度い正月気分にそぐわないかもしれないが、舞台に引き込まれた。佐藤信らが現代劇にアレンジした気分がわかる。
私の席は花道から2列目だった。花道から2列目までの座席には畳んだビニル―シートが置いてあり、「女殺油地獄の最後にお使いください」とあった。アングラのテント芝居の最前列は、舞台から飛んでくる水などから身を守るためのビニールシートが用意されることがある。歌舞伎座でもテント芝居と似たビニールシートが用意されるのかと驚いた。
舞台で与兵衛が油まみれになって滑って転ぶシーンは、本物の油を使っているように見えた。どんな油かはわからないが、あの油が飛んでくると大変かもしれない。油まみれになった与兵衛が花道を駆けて引っ込むとき、多少は期待したのだが、さほど飛び散っているようには見えなかった。
《昼の部
當午歳歌舞伎賑(あたるうまどしかぶきのにぎわい)
〈正札附根元草摺〉
〈萬歳〉
〈木挽の闇爭〉
蜘蛛絲梓弦(くものいとあずさのゆみはり)
実盛物語(源平布引滝)
《夜の部》
女暫(おんなしばらく)
鬼次拍子舞(おにじひょうしまい)
女殺油地獄(おんなごろしあぶらのじごく)
昼の部の1番目は曾我兄弟の仇討ちをベースにした祝祭的な演目で正月気分になる。「蜘蛛絲梓弦」は尾上右近が八変化の早替わりで楽しませてくれる。七変化までは女郎蜘蛛の精が化けた魔物だが、最後の変化は女郎蜘蛛を退治す武将だった。
昼の部最後の「実盛物語」は有名な演目だが私は初見だ。かなりヘンな話である。
夜の部の1番目は荒事の「暫」を女形が演じるという不思議な趣向で、本来は團十郎が演じる特徴的な大きな四角の大紋袖の姿で女形の中村七之助が登場した。見栄を切ったあと「ああ恥ずかしい」とつぶやくのが面白い。ラストの六方では、中村七之助のSOSに応じて舞台番の松本幸四郎が現れて七之助に六方を教えるという楽屋落ち的な芝居で笑わせてくれた。
今回の観劇の私の目当ては夜の部最後の「女殺油地獄」である。近松門左衛門のこの高名作品を私はまだ舞台で観ていなかった。観劇前に台本は読んだ。今回の公演は与兵衛(殺す役)とお吉(殺される役)がダブルキャストで、Aプロは松本幸四郎と坂東新悟、Bプロは中村隼人と中村米吉である。私が観たのはBプロだ。
若い中村隼人が演じる「女殺油地獄」は緊張感と迫力があり、とてもよかった。目出度い正月気分にそぐわないかもしれないが、舞台に引き込まれた。佐藤信らが現代劇にアレンジした気分がわかる。
私の席は花道から2列目だった。花道から2列目までの座席には畳んだビニル―シートが置いてあり、「女殺油地獄の最後にお使いください」とあった。アングラのテント芝居の最前列は、舞台から飛んでくる水などから身を守るためのビニールシートが用意されることがある。歌舞伎座でもテント芝居と似たビニールシートが用意されるのかと驚いた。
舞台で与兵衛が油まみれになって滑って転ぶシーンは、本物の油を使っているように見えた。どんな油かはわからないが、あの油が飛んでくると大変かもしれない。油まみれになった与兵衛が花道を駆けて引っ込むとき、多少は期待したのだが、さほど飛び散っているようには見えなかった。
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