ポンペイ遺跡を見た……南イタリア旅行記(2) ― 2024年09月01日
南イタリアを巡るツアーで、カステル・デル・モンテに次ぐ第二の目当てはポンペイ遺跡である。遺跡の見学は約2時間、ほんの一部を見ただけだった。それでも。暑い日の炎天下の見学は疲れた。翌日はナポリの考古学博物館を1時間半ほど見学した。
ポンペイ遺跡に関しては、録画したテレビ番組、ネット動画、書籍などでその概要を把握していたので、短時間ですべてを見ることはできないと了解していた。
古代ローマ史は私の関心領域である。いつかポンペイを訪れたいと思いつつ時が流れ、コロナなどもあり、訪問を半ばあきらめていた。一昨年(2022年)に東京国立博物館で開催された『ポンペイ展』や8年前(2016年)に森アーツセンターギャラリーで開催された『ポンペイの壁画展』に足を運び、ポンペイの遺品を目にしていたので、現地に行かなくてもいいやという気分にもなっていた。
だが、75歳にして初めてポンペイを訪れ、やはり現場に立たねば感得できないものがあると思った。それは、遺跡のサイズ感と周辺の風景である。
18世紀、発掘が始まって約半世紀のポンペイを訪れたゲーテは、ポンペイをせせこましくて小さな町とし、「狭苦しい街路、窓のない小さな家屋」と表現している(『イタリア紀行』)。私はさほど狭苦しいとは感じなかった。コンパクトで住みやすそうな町だと思った。公衆浴場の床暖房や壁暖房の跡には感心したし、鉛の水道管がいまだに残っているのには感動した。さほど広くない娼家の壁画も現地で見ることができた。
ポンペイと言えば背景はヴェスヴィオ山だ。そんな画像は何度も見ている。しかし、ポンペイの町からヴェスヴィオ山がどんな風に見えるかは、現地に立たなければ把握しにくい。なるほど、ポンペイ遺跡から見える火山は、近いと言えば近いし、遠いと言えば遠い。あの火山の噴火によって町が何メートルも埋まってしまうとは想像しにくかっただろうと感じた。
現在のヴェスヴィオ山は噴煙を上げていない。1944年の噴火以来、休火山だそうだ。そろそろあぶないとも言われているが、その時は仕方ないと考えている人が多いと聞いた。
ナポリの考古学博物館では、東博の『ポンペイ展』で見た何点ものモザイク画に再会し、懐かしく感じた。「出張、ご苦労さまでした」という気分である。
この博物館では、有名なアレクサンドロス大王のモザイク画を見られるだろうと期待していた。だが、現在は修復作業中で公開されていなかった。修復作業の現場を遠くから覗えただけである。残念だった。
ポンペイ遺跡に関しては、録画したテレビ番組、ネット動画、書籍などでその概要を把握していたので、短時間ですべてを見ることはできないと了解していた。
古代ローマ史は私の関心領域である。いつかポンペイを訪れたいと思いつつ時が流れ、コロナなどもあり、訪問を半ばあきらめていた。一昨年(2022年)に東京国立博物館で開催された『ポンペイ展』や8年前(2016年)に森アーツセンターギャラリーで開催された『ポンペイの壁画展』に足を運び、ポンペイの遺品を目にしていたので、現地に行かなくてもいいやという気分にもなっていた。
だが、75歳にして初めてポンペイを訪れ、やはり現場に立たねば感得できないものがあると思った。それは、遺跡のサイズ感と周辺の風景である。
18世紀、発掘が始まって約半世紀のポンペイを訪れたゲーテは、ポンペイをせせこましくて小さな町とし、「狭苦しい街路、窓のない小さな家屋」と表現している(『イタリア紀行』)。私はさほど狭苦しいとは感じなかった。コンパクトで住みやすそうな町だと思った。公衆浴場の床暖房や壁暖房の跡には感心したし、鉛の水道管がいまだに残っているのには感動した。さほど広くない娼家の壁画も現地で見ることができた。
ポンペイと言えば背景はヴェスヴィオ山だ。そんな画像は何度も見ている。しかし、ポンペイの町からヴェスヴィオ山がどんな風に見えるかは、現地に立たなければ把握しにくい。なるほど、ポンペイ遺跡から見える火山は、近いと言えば近いし、遠いと言えば遠い。あの火山の噴火によって町が何メートルも埋まってしまうとは想像しにくかっただろうと感じた。
現在のヴェスヴィオ山は噴煙を上げていない。1944年の噴火以来、休火山だそうだ。そろそろあぶないとも言われているが、その時は仕方ないと考えている人が多いと聞いた。
ナポリの考古学博物館では、東博の『ポンペイ展』で見た何点ものモザイク画に再会し、懐かしく感じた。「出張、ご苦労さまでした」という気分である。
この博物館では、有名なアレクサンドロス大王のモザイク画を見られるだろうと期待していた。だが、現在は修復作業中で公開されていなかった。修復作業の現場を遠くから覗えただけである。残念だった。
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