『ルーヴル美術館展 愛を描く』を観てギリシア神話を読みたくなった2023年03月22日

 国立新美術館で開催中の『ルーヴル美術館展 愛を描く』を観た。愛をテーマにした美術展である。チラシの「LOUVRE」の「U」と「R」が霞んでいる。「LOVE」が浮き上がって「ルーヴルには愛がある。」の文字。ナルホド。

 いろいろな絵を展示しているが、印象深いのはギリシア・ローマ神話を題材にした絵画群である。西洋絵画には神話の一場面を描いたものが多い。そんな絵を観ると、どんな物語だろうと興味がわき、神話を読みたくなったりもする。

 私は5年前にギリシア神話の文庫本 を何冊かまとめて読んだ。だが、その記憶は薄れている。ギリシア神話がゴチャゴチャと複雑だとの印象だけが残っている。

 今回の美術展で神話題材の作品を前にし、簡単な解説パネルを読んでも、それがどんな話かわからないものが多い。

 チラシの絵画(ジェラールの『アモルとプシュケ』)も画集などで観た記憶がある神話題材の作品だ。だが、この場面の意味はよくわからない。その物語を読んだかどうか記憶にない。で、5年前に読んだ『ギリシア・ローマ神話』(ブルフィンチ/岩波文庫)と『ギリシア神話』(呉茂一/新潮文庫)を確認すると、どちらの本にもこの物語が載っていた。完全に失念していたのだ。

 アモルとはクピードー(エロス)、キューピッドとも言う。恋の矢を放つ「愛の神」だ。幼児の姿で描かれるのは時代が下ってからで、本来はこの絵のように成人だそうだ。プシュケはある国の王女(人間)である。プシュケはギリシア語の「蝶」「霊魂」であり、神と人間が絡むこの物語には寓意も秘められているらしい。

 西洋絵画を手掛かりに、あらためてギリシア神話を読み返したくなった。絵をキーにすれば記憶が定着しやすそうに思える。

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