『メアリー・ステュアート』は緊張感が持続する芝居 ― 2026年04月13日
パルコ劇場で『メアリー・ステュアート』(原作:シラー、翻案:ロバート・アイク、翻訳:小田島則子、演出:栗山民也、出演:宮沢りえ、若村麻由美、他)を観た。
観劇前にシラーの原作『マリア・ストゥアルト』を読み、映画『ふたりの女王 メアリーとエリザベス』もオンデマンドで視聴した。どちらも史実をベースにしたフィクションだが、16世紀のスコットランド女王メアリーとイングランド女王エリザベス1世の確執の概要を知ることはできた。
今回の公演は、英国の劇作家・演出家ロバート・アイク(1986-)がシラーの原作を翻案したものだ。7年前に観たギリシア悲劇『オレステイア』(アイスキュロス)もロバート・アイクの翻案だった。『メアリー・ステュアート』は大胆に現代化しているかと予感したが、思った以上にシラーの原作に忠実だった。冒頭シーンもラストシーンも原作通りで、より明解なメリハリある芝居になっていた。
パルコ劇場での栗山民也演出、宮沢りえ主演の芝居は2年前の『オーランド』を観た。あの芝居にも宮沢りえ演ずるオーランドにエリザベス1世が絡むシーンがあった。あのときの河内大和(映画『8番出口』の「歩く男」役)演じるエリザベスは不気味だったが、今回は二大女優競演である。
舞台『メアリー・ステュアート』は、これまでにさまざまなバージョンが上演されてきたそうだ。私は今回が初めての観劇だが、ネット検索すると5件確認できた。メアリーとエリザベスを「麻実れい×白石加代子(1990年)」「南果歩×原田美枝子(2005年)」「栗原小巻×樫山文枝(2013年)」「中谷美紀×神野美鈴(2015年)」「長谷川京子×シルビア・グラブ(2020年)」らが演じている。そして今回は「宮沢りえ×若村麻由美」である。
舞台装置はシンプルで、三方を高い壁で囲まれたやや抽象的な空間だ。メアリーが幽閉されている牢獄にふさわしい装置である。エリザベスの宮廷のシーンも同じ空間で演じられる。エリザベスもまた王冠という牢獄に身を置いていることを表しているのだろう。
シラーの原作は全5幕、翻案もそのまま全5幕で、幕ごとに緞帳が昇降する。舞台装置の組み替えがあるわけではないが、緞帳の昇降による場面転換というシンプルな手法の効果を再認識した。
この芝居はメアリー処刑までの3日間を描いた宮廷陰謀劇である。舞台はメアリーの牢獄とエリザベスの宮廷、中盤のメアリーとエリザベスの対面がひとつのクライマックスになる。宮沢りえと若村麻由美の熱演で、最後まで緊張感が持続する舞台だった。
役者たちの衣装はエリザベス朝風ではなく超時代的であり、16世紀の宮廷劇が21世紀の混迷をも反映しているように見える。
原作戯曲には描かれていないが、処刑場へ去っていくメアリーの黒い衣装が一瞬で赤い衣装に変わる。映画『ふたりの女王』と同じだ。視覚に訴える印象的なシーンであり、ドキリとした。メアリーが赤い衣装で処刑場へ赴いたというのは実話らしいが、よくわからない。
観劇前にシラーの原作『マリア・ストゥアルト』を読み、映画『ふたりの女王 メアリーとエリザベス』もオンデマンドで視聴した。どちらも史実をベースにしたフィクションだが、16世紀のスコットランド女王メアリーとイングランド女王エリザベス1世の確執の概要を知ることはできた。
今回の公演は、英国の劇作家・演出家ロバート・アイク(1986-)がシラーの原作を翻案したものだ。7年前に観たギリシア悲劇『オレステイア』(アイスキュロス)もロバート・アイクの翻案だった。『メアリー・ステュアート』は大胆に現代化しているかと予感したが、思った以上にシラーの原作に忠実だった。冒頭シーンもラストシーンも原作通りで、より明解なメリハリある芝居になっていた。
パルコ劇場での栗山民也演出、宮沢りえ主演の芝居は2年前の『オーランド』を観た。あの芝居にも宮沢りえ演ずるオーランドにエリザベス1世が絡むシーンがあった。あのときの河内大和(映画『8番出口』の「歩く男」役)演じるエリザベスは不気味だったが、今回は二大女優競演である。
舞台『メアリー・ステュアート』は、これまでにさまざまなバージョンが上演されてきたそうだ。私は今回が初めての観劇だが、ネット検索すると5件確認できた。メアリーとエリザベスを「麻実れい×白石加代子(1990年)」「南果歩×原田美枝子(2005年)」「栗原小巻×樫山文枝(2013年)」「中谷美紀×神野美鈴(2015年)」「長谷川京子×シルビア・グラブ(2020年)」らが演じている。そして今回は「宮沢りえ×若村麻由美」である。
舞台装置はシンプルで、三方を高い壁で囲まれたやや抽象的な空間だ。メアリーが幽閉されている牢獄にふさわしい装置である。エリザベスの宮廷のシーンも同じ空間で演じられる。エリザベスもまた王冠という牢獄に身を置いていることを表しているのだろう。
シラーの原作は全5幕、翻案もそのまま全5幕で、幕ごとに緞帳が昇降する。舞台装置の組み替えがあるわけではないが、緞帳の昇降による場面転換というシンプルな手法の効果を再認識した。
この芝居はメアリー処刑までの3日間を描いた宮廷陰謀劇である。舞台はメアリーの牢獄とエリザベスの宮廷、中盤のメアリーとエリザベスの対面がひとつのクライマックスになる。宮沢りえと若村麻由美の熱演で、最後まで緊張感が持続する舞台だった。
役者たちの衣装はエリザベス朝風ではなく超時代的であり、16世紀の宮廷劇が21世紀の混迷をも反映しているように見える。
原作戯曲には描かれていないが、処刑場へ去っていくメアリーの黒い衣装が一瞬で赤い衣装に変わる。映画『ふたりの女王』と同じだ。視覚に訴える印象的なシーンであり、ドキリとした。メアリーが赤い衣装で処刑場へ赴いたというのは実話らしいが、よくわからない。

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