63歳にして念願のダイビングを初体験2012年07月11日

 先日、63歳にして初めてスキューバダイビングをした。以前からやってみたいと思っていたことが、やっと実現した。

 ダイビングをしたいと思ったのは、ずいぶん昔だ。20代か30代の頃だろう。ダイビングをやってみたいなあと思っていたその頃、たまたまテレビでダイビング講座の番組があった。書店でテキストを購入し、そのテレビ講座を視聴した。
 しかし、テレビ講座を視たからといって、実際にダイビングをすることはなく、いたずらに齢を重ねてしまった。あの時のテキストは紛失しているし、テレビ講座の内容もほとんど憶えていない。

 テキストを紛失しても、ダイビングをしたいという気持が失せたわけではなく、いつかやってみたいという気分は頭の片隅に残り続けていた。気分が残っていても行動に移すことがないまま、またたく間に数十年が経った。
 今回、ついに尻を上げたのは、友人の娘が沖縄在住でダイビングに入れ込んでいると知ったからだ。その娘の手をわずらわせて体験ダイビングをすることができた。

 人生には、「やろうやろう」と思いつつ実施できないままにうかうかと時間が経っている課題が多い。私にはダイビングもそんな課題の一つだった。このような「そのうちやろう課題」の多くは、結局は未達成のままに終わってしまいそうだ。「ダイビング」をかろうじて実施できたのは、上記のようなちょっとしたきっかけがあったからだ。

 「そのうちやろう課題」が実施できるか否かは、意欲や計画性によるのではなく、単にちょっとしたきっかけによるのだと思う。いいかげんに聞こえるかもしれないが、周到な計画に基づく予定表をこなしていくのが人生だとは思えない。計画は必要だろうが、さほど有効ではない。

 で、きっかけに恵まれて人生初のダイビングをした場所は、沖縄恩納村の真栄田岬だった。好天に恵まれ、サンゴ礁の海にはたくさんの魚がいた。40分弱の体験ダイビングだったが十分に楽しめた。

 30年来の夢がかなったのだから満足はしている。しかし、体験してしまうと、やや物寂しいあっけなさも感じる。

 ダイビングごときで大袈裟に考える必要はないが、人間にとっては、物事を達成した喜びより達成するまでのワクワク感の方が重要なのかもしれない。
 「そのうちやろう課題」をあれこれ練り上げていくのと、「未達成リスト」をひとつひとつこなして行くのと、どちらが楽しくてどとらが空しいのだろうか。ケースバイケースだからゴチャゴチャ考えても無意味か。