清水邦夫作品と別役実作品の2本立てを観た2021年08月01日

 参宮橋のトランスミッションという小さな劇場で劇団東京座旗揚げ公演『楽屋―流れ去るものはやがてなつかしき―(作:清水邦夫)』『マッチ売りの少女(作:別役実)』(共に演出:ジェニファー・ストロンガー)』を観た。
 未知の劇団の芝居だが、高名な劇作家の一幕物の2本立てにお得感があってチケットを購入した。

 清水邦夫と別役実は、1960年代終わりから70年代にかけて一時代を画した同世代の劇作家だった。昨年(2020年)別役実が82歳で亡くなり、今年になって清水邦夫が84歳で亡くなった。はからずも追悼公演の趣がある。

 若い役者たちの舞台は意外にオーソドックスな演出だった。学生の卒業公演のように感じる部分もあったが、『マッチ売りの少女』の不条理な緊張感に惹かれた。

 清水邦夫と別役実は全く作風が異なるが、通底するものもあるように思える。『楽屋』『マッチ売りの少女』の2作品を連続上演するなら、その通底するものを探り、2作品を一つのものとして貫くような演出上の工夫もあり得たのではと感じた。清水世界と別役世界を融合させると奇妙なパロディになってしまう可能性もあるが……

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