ついに中島みゆきの『夜会』を観た2016年11月22日

 中島みゆきの『夜会』を観たいと思いながらチケットが取れず数年が経過し、やっとチケットをゲットでき、先日、赤坂ACTシアターで『夜会VOL.19 橋の下のアルカディア』を観た。

 中島みゆきのCDはかなり持っているが『夜会』のDVDを観たことはなく、勝手にコンサート風のイベントだと思っていた。しかし『夜会』は演劇に近い舞台だった。

 中島みゆきの歌詞には元から演劇的要素があると感じてはいたが、歌謡だけで演劇を組み立てているのが『夜会』なのだと、実物を観て初めて知った。うかつであった。

 今回の『橋の下のアルカディア』は『夜会VOL.18』の再演だそうだ。この手の舞台は初見だけで内容を把握するのは難しく、くり返し観た方が堪能できる。だから、予備知識なしに観た私は、中島みゆきの歌謡演劇世界のとば口の立っただけという気分である。

 それでも、「橋の下」というアンダーグラウンドのまさにアングラ的イメージを感得でき、そこからの飛翔という普遍的演劇的カタルシスを楽しむことができた。

 私は芝居が好きだがミュージカルは敬遠している。それでも、芝居を作り上げるには歌謡が重要だと思っている。芝居は芝居じみなけらば芝居にならず、そのツールに歌謡が有効だと認識している。だが、『橋の下のアルカディア』を観て、歌謡だけで芝居を作ることも可能だとはじめて知った。

 舞台で歌いあげる中島みゆきを眺めながら、ボブ・ディランがノーベル文学賞を受賞するなら、中島みゆきが日本文学大賞か谷崎潤一郎賞を受賞することもあり得るのではなどと思った。

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