仮寓ダークマター

　私は3Bの鉛筆を愛用している。字を書いたり絵を描いたりするのではない。主に傍線を引くためだけに使っている。

　本を読むときに3Bの鉛筆で傍線を引きながら読むのが癖になっている。小説などに傍線を引くことはほとんどないが、評論や解説書の類いを読むときは、傍らに鉛筆がないと落ち着かない。

　鉛筆は削ると短くなる。短くなるとホルダーを使う。ホルダーを使ってどこまで短く削れるか試してみた。かなり短くなるまで使える。子供の頃、ここまで短く鉛筆を削ったことはない。高齢者になって記録を更新したような達成感を得た。ささやかな自己満足にすぎないが。