ファウンデーション・シリーズの第4部を読んだ ― 2021年08月17日
ファウンデーション三部作に続いて次の第4部を読んだ。
『ファウンデーションの彼方へ』(アシモフ/岡部宏之訳/早川書房)
1950年代初め刊行の三部作から約30年後の1982年、アシモフ62歳のときの長編である。かなり分厚い(三部作各巻の1.5倍以上)。でも比較的短時間で読めた。
この小説は三部作の世界に直接つながる続編になっていて、物語に30年の断絶を感じない。と言っても、トーンは少し異なる。エピソードを積み重ねて未来史を語るというスタイルが後退し、銀河系を舞台に複数の組織が勢力争いを繰り広げるひとつの局面を描いたスパイ小説仕立てのSFになっている。初々しさが後退し、ストーリー展開が洗練されたとも言える。当然ながらSF小道具は50年代風から進化し、コンピュータ操作方法などが未来的である。
一気に読ませる面白さがあり、宇宙史の謎を解明する展開もある。ロボット・シリーズとのつながりも出てきて興味深い。だが、読み終えて釈然としないものが残る。歴史を疑う一人の若者が主人公で、その主人公の特異性を軸にした物語なのだが、私にはその特異性がよく理解できなかった。結末も予定調和的である。だから釈然としない。
ファウンデーション・シリーズは12000年続いた銀河帝国の衰亡期が舞台で、地球で発生した人類が銀河の多くの星に拡がってから悠久の時が経ち、すでに地球は忘れられた存在になっている。登場するのはみんな人間で奇怪な異星人は出てこない。
だれもが人類の起源に関心を示さない時代にあって、地球探しに興味を抱く奇特な科学者がいる、というのが第4部の物語のキーになっている。これは惹きつけられるSF的テーマである。第4部は、これでシリーズが完結したわけではない。「地球探し」の結論が出ないままに物語は終了する。
その後、アシモフはさらに第5部、第6部、第7部と書き継いだそうだ。翻訳も出ている。さらなる続編に手を出すか否か、私は迷っている。
『ファウンデーションの彼方へ』(アシモフ/岡部宏之訳/早川書房)
1950年代初め刊行の三部作から約30年後の1982年、アシモフ62歳のときの長編である。かなり分厚い(三部作各巻の1.5倍以上)。でも比較的短時間で読めた。
この小説は三部作の世界に直接つながる続編になっていて、物語に30年の断絶を感じない。と言っても、トーンは少し異なる。エピソードを積み重ねて未来史を語るというスタイルが後退し、銀河系を舞台に複数の組織が勢力争いを繰り広げるひとつの局面を描いたスパイ小説仕立てのSFになっている。初々しさが後退し、ストーリー展開が洗練されたとも言える。当然ながらSF小道具は50年代風から進化し、コンピュータ操作方法などが未来的である。
一気に読ませる面白さがあり、宇宙史の謎を解明する展開もある。ロボット・シリーズとのつながりも出てきて興味深い。だが、読み終えて釈然としないものが残る。歴史を疑う一人の若者が主人公で、その主人公の特異性を軸にした物語なのだが、私にはその特異性がよく理解できなかった。結末も予定調和的である。だから釈然としない。
ファウンデーション・シリーズは12000年続いた銀河帝国の衰亡期が舞台で、地球で発生した人類が銀河の多くの星に拡がってから悠久の時が経ち、すでに地球は忘れられた存在になっている。登場するのはみんな人間で奇怪な異星人は出てこない。
だれもが人類の起源に関心を示さない時代にあって、地球探しに興味を抱く奇特な科学者がいる、というのが第4部の物語のキーになっている。これは惹きつけられるSF的テーマである。第4部は、これでシリーズが完結したわけではない。「地球探し」の結論が出ないままに物語は終了する。
その後、アシモフはさらに第5部、第6部、第7部と書き継いだそうだ。翻訳も出ている。さらなる続編に手を出すか否か、私は迷っている。

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