『ふくすけ2024:歌舞伎町黙示録』はテンポのいいスペクタクル2024年07月15日

 歌舞伎町タワーのTHEATER MILANO-Zaで『ふくすけ2024:歌舞伎町黙示録』(作・演出:松尾スズキ、出演:阿部サダヲ、黒木華、荒川良々、岸井ゆきの、皆川猿時、松本穂香、他)を観た。

 松尾スズキ氏の芝居を観るのは初めてである。『ふくすけ』は初演が1991年(33年前)、今回は4度目の上演だそうだ。作者によれば『ふくすけ2024』では四分の三ぐらい書き替えたらしい。チラシには「毒と哀切にまみれた怒涛のダークエンタテインメント。甦生につき要注意!!」とある。どんな内容なのか、まったく予備知識のないまま劇場に足を運んだ。

 場面の変化や展開が目まぐるしく、テンポの速い芝居だった。回り舞台は頻繁に回転する。壮大なスペクタクルの趣もある。かなり複雑なストーリーだが、十分に楽しめた。

 公演プログラムには「ふくすけクロニカル:人物&社会年代史」という表が載っていた。主要登場人物と時間(1960年代後半~現代?)のマトリックスである。人物ごとのイベントが一覧できる。観劇後にこの表を眺め、芝居の全体像を反芻できた。

  「ふくすけ」とは薬剤被害で生まれた奇形の少年である。ホルマリン漬けを拒否して生き残り、病院に保護されるも、そこから連れ出され、見世物小屋のスターになり、ついには新興宗教の教祖になる。初演では温水洋一、再演と再々演では阿部サダヲが演じ、今回は女優の岸井ゆきのだった。ふくすけ頭で舞台を横方向にも縦方向にも駆け巡る姿は印象的である。

 この芝居のサブタイトルは「歌舞伎町黙示録」、歌舞伎町で成り上がってビルを建てる三姉妹の物語でもある。歌舞伎町タワーの劇場での上演に符合している。三姉妹のブレーンとなる女性が都知事選に立候補する件りは、今回の都知事選の反映に見える。失踪した妻を14年間探し続けて歌舞伎町に辿り着いた夫の背後に、その妻の巨大な都知事選候補ポスターがあるのが面白い。

 私が観劇した日(7月14日)の朝、トランプ狙撃のニュースが流れた。そのニュースも台詞に取り込まれていた。芝居は生モノだ。

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