遠い昔から海は道だった2018年07月11日

2018年7月11日の朝日新聞朝刊&赤坂図書館にあったチラシ
 数週間前、赤坂図書館に積んであったB6判の小さなチラシを手にし、その不思議な内容に惹かれた。「3万年前の航海:徹底再現プロジェクト 2019年実験航海に向けて」というタイトルで、実験航海のクルー(要は原始的ボートの漕ぎ手)を募集する説明会の案内だった。いったいこれは何だと思った。

 本日(2018年7月11日)の朝日新聞朝刊のオピニオン面に「祖先も非日常を楽しんだ?」という見出しの記事があり、その見出しに惹かれて読んでみると、あのチラシの「3万年前の航海」の話だった。

 人類進化学者・海部陽介氏(国立科学博物館)のインタビュー記事で、3万年以上前に海を越えてやってきた「日本列島人」に関する話だ。

 われわれ日本人のご先祖は旧石器時代に海の向こうからやって来た。そのルートは「対馬ルート」「沖縄ルート」「北海道ルート」の三つがあり、「沖縄ルート」が一番難しかったらしい。漂流ではなく明確な意思で漕いで渡ってきたと考えられるそうだ。

 そのルートを実際に再現するプロジェクトがスタートしていて、2019年には台湾から与那国島までの航海を当時の道具で再現するそうだ。記事には書いていなかったが、図書館にあったチラシによれば今週の土曜日(7月14日)に赤坂図書館のホールで説明会が開催される。台湾から与那国島までおよそ3日の航海になるらしい。

 私は70歳目前の高齢者で今週の土曜日は予定も入っている。もちろん、はなから私には無縁の話ではあるが、興味をそそられる。昨年、台湾旅行と与那国島旅行をし、台湾・与那国の航路への関心があるからだ。

 また、今年のシチリア旅行で古代ギリシアの植民都市を眺めたことも海の道への興味につながっている。ギリシア人が海をわたってイタリアやシチリアに植民都市を建設したのは2800年ぐらい前、3万年前に比べれば最近だ。

 ギリシア文明時代と旧石器時代では事情がかなり異なるだろうが、われわれ日本人も植民者の末裔と言えるのではないかと思えてくる。そう思うと人類にとって海は道だったということにあらためて圧倒される。

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