オランダのハイテク農業の記事を読み日本の出遅れを憂う2017年08月30日

 NATIONAL GEOGRAPHIC 日本語版2017年9月号に「オランダが救う世界の飢餓」という記事が載っていた。狭い国土でハイテク農業を展開しているオランダ農業の紹介記事だ。

 農地が少ないオランダはITなどのハイテクを駆使した植物工場によって、米国に次ぐ世界第2位の農産物輸出国になっている。それをテレビ番組で知ったのは5年程前だ。まさに日本の農業が目指すお手本だと興味をもち、関連記事や関連書籍を読んだ。その後もIT活用の植物工場のニュースには注目しているが、あまり報道されることはない。日本の植物工場の多くはコスト高の課題を考えているらしい。種物工場なら、今般の天候異変のような影響も受けにくいはずなのだが。

 私が植物工場に興味をもったのは、八ヶ岳南麓の山小屋の庭でささやかな素人野菜作りをしていることにも関連する。私は決して土いじりが好きなわけではなく、畑仕事は面倒で大変な作業だと実感している(だから手抜きにもなるのだ)。趣味を超えた産業としての野菜作りには技術革新が必要だと痛感している。

 これからの農業が先端産業になる可能性に着目している人は多く、さまざまな試みが展開されているのは確かだ。農政の制約のせいか否かはわからないが、日本の農業のハイテク化がオランダに匹敵するような状態にまで進展しているとは思えない。残念である。

 農業問題の本質とはズレるが、植物工場ががコスト高なら、家庭菜園用のコンパクトな植物工場キットを売り出してはと思う。元来、家庭菜園は新鮮な野菜を手近に入手できるのが魅力であり、コストは度外視されているケースが多い。手足を土でドロドロに汚すことなく手軽に野菜作りができる「植物工場キット」には需要がありそうに思えるが、どうだろうか。