『日経サイエンス』が『三体』を特集 ― 2020年01月29日
『日経サイエンス 2020年3月号』の特集は何と「中国のSF『三体』の科学」である。昨年末にこのSFを読んだばかりなので、この特集記事を興味深く読んだ。
この特集は次の4つの記事で構成されている。
(1) SF小説『三体』に見る天文学最前線:系外惑星の先にある異星文明
(2) 『三体』に出てくる量子通信は可能か?
(3) 三体問題に進展 周期解に新たな予感
(4) 作者劉慈欣が語るSFと科学技術
この4編の中では(1)が最も面白かった。天文学者への取材をベースに記者がまとめているのでわかりやすくて読みやすい。学者が『三体』を評価して楽しんでいることが伝わってくる。
(2)も物理学者への取材をベースに記者がまとめたものだが少し難しい。そもそも、小説では「智子(ソフォン)」という架空の人工量子が出てきて、かなり荒唐無稽な設定だと思っていたが、物理学者の目には興味深いフィクションに見えるようだ。
(3)は数学者が三体問題の現状を語った記事で、私には難しくて歯が立たなかった。
(4)は来日した際の作者の講演をまとめたものだが、その内容は普通すぎてあまり面白くない。
それにしても、真面目な科学雑誌が『三体』を大きく取り上げるのは、あの奇想天外なブッ飛んだSFに現代のサイエンスのさまざまな要素が反映されているのだろう。今夏の続編出版前に『三体』を再読したくなった。
この特集は次の4つの記事で構成されている。
(1) SF小説『三体』に見る天文学最前線:系外惑星の先にある異星文明
(2) 『三体』に出てくる量子通信は可能か?
(3) 三体問題に進展 周期解に新たな予感
(4) 作者劉慈欣が語るSFと科学技術
この4編の中では(1)が最も面白かった。天文学者への取材をベースに記者がまとめているのでわかりやすくて読みやすい。学者が『三体』を評価して楽しんでいることが伝わってくる。
(2)も物理学者への取材をベースに記者がまとめたものだが少し難しい。そもそも、小説では「智子(ソフォン)」という架空の人工量子が出てきて、かなり荒唐無稽な設定だと思っていたが、物理学者の目には興味深いフィクションに見えるようだ。
(3)は数学者が三体問題の現状を語った記事で、私には難しくて歯が立たなかった。
(4)は来日した際の作者の講演をまとめたものだが、その内容は普通すぎてあまり面白くない。
それにしても、真面目な科学雑誌が『三体』を大きく取り上げるのは、あの奇想天外なブッ飛んだSFに現代のサイエンスのさまざまな要素が反映されているのだろう。今夏の続編出版前に『三体』を再読したくなった。
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