観劇準備で清水邦夫の古い戯曲集を読んだ ― 2026年08月20日
46年前に出版された清水邦夫の戯曲集を古書で入手して読んだ。
『わが魂は輝く水なり―源平北越流誌―』(清水邦夫/講談社/1980.2)
次の3編を収録している。
(1)「わが魂は輝く水なり ――源平北越流誌」
(2)「火のようにさみしい姉がいて」
(3)「戯曲冒険小説 ――歳月よ、おいさらばえた姫たちよ」
私は来週「火のようにさみしい姉がいて」を観劇予定である。だから、本書を入手して戯曲を読んだ。事前に戯曲を読まない方が芝居を楽しめるとも言えるが、私は可能ならば事前に戯曲を読むようにしている。戯曲読書と観劇はかなり異質の体験で、戯曲を読んだだけではつかめない世界を体験できるのが観劇の面白さだ。
3編の戯曲を読み、観劇予定の「火のように…」が一番面白いと感じた。次が「戯曲冒険小説」、「わが魂は…」はよくわからなかった。
作者が「後記」で述べているように、3編はそれぞれにタイプが違う。「わが魂は…」は平家物語に材を取り、謡曲「実盛」で有名な斎藤実盛が主人公である。その方面の知識に乏しい私が没入できなかったのは仕方ない。戯曲を読んだ後で登場人物について調べ、「そういうことか」と思った。
「火のように…」は、心を病んだ中年の俳優夫婦が癒しを求めて夫の故郷を訪れ、異様な体験をする話だ。田舎の床屋に迷い込むという設定が面白い。本当の姉だか偽物なのかわからない人物とのかけあいで話が進展していく。演技なのか異常心理なのか判然としない世界に「オセロ」のシーンが重なってくる。少しだけ安部公房の香りがする清水邦夫世界だ。
「戯曲冒険小説」小さな町の夜の食堂で出会った人々が紡ぎ出す不思議な世界だ。主人公の男は婦人靴の万引き犯、客の一人は盗まれた靴屋の親父、もう一人の客は旅人で、主人公の妻の前の夫の弟のようだ。少しだけ別役実の香りがする清水邦夫世界だ。
本書巻末には3編の初演記録が載っている。
(1) 1980年2月 民芸公演
(2) 1978年12月 木冬社公演(紀伊国屋ホール)
(3) 1979年7月 文学座アトリエ公演
演出家や出演者も載っていて、錚々たるメンバーだ。当時、清水邦夫は40代前半、脂が乗った時期だったのだと思う。
『わが魂は輝く水なり―源平北越流誌―』(清水邦夫/講談社/1980.2)
次の3編を収録している。
(1)「わが魂は輝く水なり ――源平北越流誌」
(2)「火のようにさみしい姉がいて」
(3)「戯曲冒険小説 ――歳月よ、おいさらばえた姫たちよ」
私は来週「火のようにさみしい姉がいて」を観劇予定である。だから、本書を入手して戯曲を読んだ。事前に戯曲を読まない方が芝居を楽しめるとも言えるが、私は可能ならば事前に戯曲を読むようにしている。戯曲読書と観劇はかなり異質の体験で、戯曲を読んだだけではつかめない世界を体験できるのが観劇の面白さだ。
3編の戯曲を読み、観劇予定の「火のように…」が一番面白いと感じた。次が「戯曲冒険小説」、「わが魂は…」はよくわからなかった。
作者が「後記」で述べているように、3編はそれぞれにタイプが違う。「わが魂は…」は平家物語に材を取り、謡曲「実盛」で有名な斎藤実盛が主人公である。その方面の知識に乏しい私が没入できなかったのは仕方ない。戯曲を読んだ後で登場人物について調べ、「そういうことか」と思った。
「火のように…」は、心を病んだ中年の俳優夫婦が癒しを求めて夫の故郷を訪れ、異様な体験をする話だ。田舎の床屋に迷い込むという設定が面白い。本当の姉だか偽物なのかわからない人物とのかけあいで話が進展していく。演技なのか異常心理なのか判然としない世界に「オセロ」のシーンが重なってくる。少しだけ安部公房の香りがする清水邦夫世界だ。
「戯曲冒険小説」小さな町の夜の食堂で出会った人々が紡ぎ出す不思議な世界だ。主人公の男は婦人靴の万引き犯、客の一人は盗まれた靴屋の親父、もう一人の客は旅人で、主人公の妻の前の夫の弟のようだ。少しだけ別役実の香りがする清水邦夫世界だ。
本書巻末には3編の初演記録が載っている。
(1) 1980年2月 民芸公演
(2) 1978年12月 木冬社公演(紀伊国屋ホール)
(3) 1979年7月 文学座アトリエ公演
演出家や出演者も載っていて、錚々たるメンバーだ。当時、清水邦夫は40代前半、脂が乗った時期だったのだと思う。
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