千年前の修道士のような国防長官 ― 2026年03月30日
米国のヘグセス国防長官の胸に十字軍のタトゥーがあると知り、いま再読中の『ローマ帝国衰亡史』(ギボン)第58章の一節を想起した。
第58章は第1回十字軍の話である。18世紀の啓蒙人であるギボンは、11世紀末に始まった十字軍に批判的だ。十字軍を無知と狂信と見なし、次のように述懐している。
「われわれの一層冷静な理性はアシアを押し流しヨーロッパを空にしたこの途方もない兵員による遠隔な作戦の正当さを否認せねばならない。」(中野好之訳)
また、十字軍の熱狂に乗じた「抜け目のない一修道士」が自分の肌に十字架の焼き印を刻み、それを見せびらかすことで「裕福な聖職禄」を得たというエピソードを揶揄的に紹介している(画像参照)。
この一節を読んだ直後に、米国のヘグセス国防長官が十字軍マークと「Deus Vult(神はそれを望まれる)」のタトゥーを入れていると知ったのである。千年前の「抜け目のない一修道士」が21世紀によみがえったように思え、頭がクラクラした。ギボンもビックリだと思う。
ヘグセス国防長官はプリンストン大学を卒業し、ハーバード大学で修士号を取得し、FOXニュースの司会者から政界に転じた人だそうだ。彼からは、18世紀の啓蒙人は時代遅れリベラルの淵源に見えるのかもしれない。
おかしな時代に突入していると思う。
第58章は第1回十字軍の話である。18世紀の啓蒙人であるギボンは、11世紀末に始まった十字軍に批判的だ。十字軍を無知と狂信と見なし、次のように述懐している。
「われわれの一層冷静な理性はアシアを押し流しヨーロッパを空にしたこの途方もない兵員による遠隔な作戦の正当さを否認せねばならない。」(中野好之訳)
また、十字軍の熱狂に乗じた「抜け目のない一修道士」が自分の肌に十字架の焼き印を刻み、それを見せびらかすことで「裕福な聖職禄」を得たというエピソードを揶揄的に紹介している(画像参照)。
この一節を読んだ直後に、米国のヘグセス国防長官が十字軍マークと「Deus Vult(神はそれを望まれる)」のタトゥーを入れていると知ったのである。千年前の「抜け目のない一修道士」が21世紀によみがえったように思え、頭がクラクラした。ギボンもビックリだと思う。
ヘグセス国防長官はプリンストン大学を卒業し、ハーバード大学で修士号を取得し、FOXニュースの司会者から政界に転じた人だそうだ。彼からは、18世紀の啓蒙人は時代遅れリベラルの淵源に見えるのかもしれない。
おかしな時代に突入していると思う。
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