『週刊朝日』休刊号で追憶にふける2023年06月01日

 『週刊朝日』の休刊号('23.6.9)が出た。101年続いた週刊誌の終焉である。発行部数150万部を超えたこともあったが、最近は8万部を切っていたそうだ(実売部数4万5千ともいう)。

 私は60年以上『週刊朝日』に接してきた。親が定期購読していたので、子供の頃から身近な週刊誌だった。社会人になり、実家を離れてしばらくは断続的に読んでいた。いつ頃からか自ら定期購読するようになった。以前は新聞販売店が配達してくれたが、いつしか郵送になり、現在まで続いている。

 いまや稀少な残存定期購読者のひとりだが、熱心な読者とは言えない。最近の『週刊朝日』はあまり面白くなく、読むページが少ない。購読を止めようと思いつつずるずると引き延ばしているうちに休刊になってしまった。

 いざ休刊となると、やはり感慨深い。記憶の底をさぐると過去のいろいろな記事が浮かんでくる。

 休刊号には『「ジャンプしてください!」と著名人に無茶振り』と題した過去の企画記事の紹介がある。60年前の1963年、私が中学2年の頃の記事だ。懐かしい。うさぎ年にちなんだ「ジャンプ'63」という企画で、多くの著名人がジャンプした写真を並べていた。休刊号に載っている岡潔のジャンプ写真もよく憶えている。本田宗一郎はバイクでジャンプしていて、ズルイと感じたのを思い出した。

 いまも『週刊朝日』の手柄だと思うのは、スプーン曲げのトリックをカメラで暴いた記事だ。超能力を否定する痛快な内容だった。調べてみると1974年5月、私が社会人2年目の頃の記事だ。

 連載小説もいくつか読んだ。記憶に残る最も古い連載小説は城山三郎の『イチかバチか』だ。単行本刊行が1962年だから連載は私が中学1年の頃だと思う。梶山季之の『夜の配当』 は中学2年の頃だ。山崎豊子の『仮装集団』は高校生の頃の連載、その後が松本清張の『黒の様式』だった。

 『週刊朝日』の連載小説にはもっと有名な作品が多くある(『飢餓海峡』『さぶ』『世に棲む日々』『官僚たちの夏』など)。だが、なぜか私が連載で読んだ記憶が鮮明なのは比較的マイナーな上記4作なのである。

 マイナーと言えば、やなせたかしの連載マンガ『ボウ氏』も懐かしい。これは、切り抜きをいまも保存している。「百万円懸賞連載マンガ」の入選作だからマイナーと言うのは不適切かもしれないが、その後のやなせ氏の活躍から見れば注目度は低いと思う。

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