コロナ時代の芝居はどんな具合か、確認したくて……2020年08月01日

 新コロナ感染者が拡大している本日(2020.8.1)、やや後ろめたく思いつつ、パルコ劇場で上演中の『大地』(作・演出:三谷幸喜、出演:大泉洋、山本耕史、他)を観た。
 
 この芝居、Social distancing Version と謳い、コロナ対策に万全を期していると報道されている。演劇には大逆風のこの時代に上演される芝居がどんなものか、それを目撃するチャンスはいましかない、と思ったのである。家族の制止を振り切って土曜日の渋谷に出かけた。

 劇場に足を運ぶのは、2月24日に国立小劇場で文楽を観て以来、約半年ぶりである。3月から5月にかけて4回の観劇(『タルチェフ/無名塾/サンシャイン劇場』『三月大歌舞伎・昼の部・夜の部/歌舞伎座』『普通の人々/劇団青い鳥/「劇」小劇場』『少女仮面/一糸座/ザ・スズナリ』)を予定していたが、すべてが公演中止になった。

 パルコ劇場は、入場時に靴底と手を消毒、検温もあった。ロビーに制服の看護師が二人待機しているのは、少し芝居がかっている。座席は一人おきの半分である。前後左右に人がいないと、隣の席に荷物を置くことができ、ゆったりした気分で観劇できる。

 もちろん観客はマスク着用だが、役者はマスクなどは着けてない。ソーシャル・ディスタンスを意識した演出になっているらしいが、不自然さは感じなかった。不自然がむしろ自然に見えるのが芝居である。

 三谷幸喜の芝居を観るのは初めてだ。不思議な設定の芝居である。ある独裁国家の収容所に入れられた役者たちの話で、コメディの要素も盛り込まれているが、苦い味もある。意外にオーソドックスな構えの芝居だと思った。

 冒頭とラストで、三谷幸喜のアナウンスが流れる。カーテン・コールが一通り終わった終演時のアナウンスは「これ以上拍手をしても役者は出て来ません。観客のみなさんは速やかに帰ってください」という主旨で、確かに Social distancing Version だと感じた。

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