今年前半のマイ・ベスト32020年07月14日

 仕事を辞めて自由人になり、読書時間は多少は増えたと思うが、読んでもその内容をすぐ忘れてしまう。内容を忘れるのは仕方ないとしても、読んだということまで忘れるのは悲しい。数年前から、エクセルに読了した本の書名、著者名、簡単な読後1行メモを残すようにしている。備忘録である。読んだ本のいくつかの感想文をこのブログに書いているのも、自分自身のための忘却への抵抗である。

 今年受け取った年賀状に「昨年のベスト3」を書いている人がいた。それを見て、読んだ本の記憶を反芻してとどめるには、自分が1年で読んだ本のベスト3を選ぶのも一興だと思った。リストはエクセルにあるから選択は容易だ。

 今年も半月が過ぎ、エクセルの読了リストを眺めていて気づいた。1年前に読んだ本には、すでに印象がおぼろになっているものがある。マイ年間ベスト3を選定するには、とりあえずの予選として6月までの半年のベストスリーを選定しておく方がいい。で、今年1月から6月までに読んだ本のベスト3をエイヤと決めた。

『ダンヌンツィオ 誘惑のファシスト』(ルーシ・ヒューズ=ハレット/白水社)
『名誉と恍惚』(松浦寿輝/新潮社)
『百年の孤独』(ガルシア・マルケス/堤直訳/新潮社)

 いずれも刊行はかなり前の本だ。