『HHhH 』を映画化した『ナチス第三の男』を観た2019年05月27日

 映画『ナチス第三の男』を下高井戸シネマで観た。ローラン・ボネの メタフィクション的歴史小説『HHhH プラハ、1942年』を映画化したもので、ナチス統治下のプラハ副総督ハイドリヒ暗殺を扱っている。「HHhH」とは「Himmlers Hirn heiβt Heydrich(ヒムラーの頭脳はハイドリヒと呼ばれる)」という意味である。

 この暗殺事件は過去に何度か映画化されている。私は2年前に映画『ハイドリヒを撃て!』を観て、それを機に『HHhH』を読んだ。その時、この作品の映画化の情報を得ていたので、この映画を心待ちにしていた。

 映画『ナチス第三の男』の原題は『THE MAN WITH THE IRON HEART』で、これはヒトラーがハイドリヒを評した言葉である。やはり『HHhH』というタイトルでは何のことやら不明なので変えたようだ。そう思って、パンフをよく見ると、この原題に『HHhH』が隠れていると気づいた。原題は正確には『THE MAN WITH ThE IRON HEART』だった。芸が細かい。

 小説『HHhH』はハイドリヒ暗殺の小説を書く過程を表現した小説で随所に作者が顔を出すので、『ナチス第三の男』にも作者が登場するかと期待したが、そんなヘンテコな作りではなく正統な映画だった。

 『ナチス第三の男』と『ハイドリヒを撃て!』を比べると、暗殺に関する緊迫感は『ハイドリヒを撃て!』の方が上である。『ナチス第三の男』はハラハラドキドキの映画ではなく、暗殺される圧政者側、暗殺者&レジスタンス側の両方を坦々と描いている。

 ハイドリヒの国防軍不名誉除隊、親衛隊への入隊、結婚などを描き、ヒムラーやレームなども登場する。ナチス高官の家庭生活や日常を通して、あの時代の雰囲気が伝わってくる。もちろん、非日常的な悲惨で残虐な場面がメインだが、その合間に日常が顔を出すのが何とも言えず怖い。

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