映画『マルクス・エンゲルス』『ウィンストン・チャーチル』を観た2018年07月25日

 下高井戸シネマで『マルクス・エンゲルス』と『ウィンストン・チャーチル』の2本を続けて観た。入れ替え制の小さな映画館だが、往年の2本立て映画館に行った気分だ。

 2本とも歴史上の有名人を扱った映画で面白く鑑賞できた。事実がベースでも映画的脚色が施されているだろうと思いつつも、書籍では感得しにくいナマの人物像や時代の雰囲気に引き込まれた。映像の力だ。

 『マルクス・エンゲルス』は2017年に制作されたフランス・ドイツ・ベルギー合作の映画で原題は「THE YOUNG KARL MARX」。ソ連崩壊後の21世紀になって、マルクスの映画が西欧で制作されたことに驚いた。マルクスは復活しつつあるのだろうか。

 この映画は若きマルクスの「森林伐採法」批判を象徴するシーンで始まり、マルクス30歳の時にエンゲルスと共に『共産党宣言』を執筆する時点で終わる。マルクス夫妻とエンゲルスの青春を描いた映画だ。『ヘーゲル法哲学批判』や『哲学の貧困』も登場する。

 私は『資本論』を読んだことはなく共産主義には懐疑的だが、学生時代には初期マルクスの何編かを読み、読書会などに参加したこともある。この映画を観ていて、初期マルクスの著作と格闘した頃の記憶がよみがえり妙な気分になった。あの「マルクス」がナマイキな青年の姿で画面で動き回る姿に新鮮な感動をおぼえた。

 『ウィンストン・チャーチル』はチャーチルが首相に就任してからダンケルクまでの1カ月足らずの時期を描いている。評伝とは言い難いが、チャーチルの人物像が十全に伝わってくる映画だ。

 この映画がどこまで史実を反映しているかわからないが、英国議会の雰囲気はあんな風だったのだろうと思える。

 私はチャーチルの著作も評伝も読んだことがなく、通り一遍の知識しかない。だが、彼が首相に就任していなければ、第2次世界大戦の様相は変わっていただろうとは思う。

 歴史を学ぶには歴史書を読むしかない。当該時代の文書や後代の史書によってアプローチするのが王道だろう。それによって自らイメージを紡ぎだせればそれに越したことはない。だが、歴史への関心を喚起するには映画という映像の力は大きい。

 『マルクス・エンゲルス』を観て、E・Hカーの『カール・マルクス』を再読したいと感じ、『ウィンストン・チャーチル』を観てチャーチルの『第2次世界大戦回顧録』に挑戦したいという気分になった。

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