大竹しのぶの存在感あふれる『欲望という名の電車』2017年12月12日

 BUNKAMURAのシアターコクーンで大竹しのぶ主演の『欲望という名の電車』(演出:フィリップ・ブリーン)を観た。北村一輝、鈴木杏らも出演している。

 あまりにも有名なテネシー・ウィリアムズ名作で戯曲を読んだのはかなり昔だ。何となく、すでにどこかで舞台を観たことがあるように感じていたが、よく考えてみるとそれは記憶のねつ造であって、舞台で観るのは今回が初めてのはずだ。

 約3時間の舞台にほとんど出ずっぱりの大竹しのぶの存在感には圧倒された。熱の入った緊張感が持続する3時間を体験し、観劇後には心地よい疲労を感じた。

 戯曲と役者は演劇の二大要素であり、いい役者と優れた戯曲の出会いは役者vs戯曲の格闘技のようでもあり、それが面白い舞台を作りあげる。そんな当然のことを再認識した。