木彫の帽子掛けを壁に密着取り付けして、ささやかな満足2016年12月13日

 月2回の木彫教室に通い始めて5年が経過した。飽きてきたが惰性で続けている。芸を究めようという心境になれないのは移り気な凡人のサガだ。没我の職人作業の時間を過ごすのが至福と思っているのに、なぜか一時しのぎの慌ただしい作業時間の積み重ねになってしまう。

 そんな時間の積み重ねで「鷲の帽子掛け」が完成した。木彫そのものは図案や写真(ナマの鷲)を眺めながら進めていく作業で、時間をかければ何とか形になる。彫った後の塗装は面倒だ。との粉を剥がすのはマスク必須の大変な作業だし、ニスを塗った直後に布で拭き取る作業も神経を使う。塗る、拭き取る、乾かす、という工程を何度も繰り返して、やっと完成する。

 今回は塗装が終わって、さらに一工夫が必要だった。壁に掛ける方法が課題なのだ。

 壁に掛ける作品は絵画のようにフックで吊るすのが一般的だ。時計や鏡なら紐で壁に吊るしてもいいが、帽子掛けはそうは行かない。絵画や時計や鏡は眺めるものだが、帽子掛けは眺めるのではなく使うものである。フックで吊るしたのでは、帽子を掛けたり外したりするたびに右に左にフラフラ揺れて、はなはだ不具合だ。

 2箇所のフックで吊れば左右の揺れはなくなりそうだ。しかし、紐で吊るすのでは前のめりになり壁に密着しない。眺めるだけの絵画なら前のめりも許されるが、帽子掛けは鑑賞用装飾品ではなく日常生活の道具である。不安定に揺れては道具としての機能を十分に果たせない。壁にきちんと固定しているのが望ましい。

 「鷲の帽子掛け」を壁に密着させる方法をいろいろイメージした上でホームセンターに行き、金具を物色した。そして、爪で引っかける形式の適切な金具を発見した。そのまま取り付けると前のめりになるが、木彫の裏面二箇所に四角い窪みを彫ってこの金具を取り付ければ、壁に密着する形で容易に着脱できる筈だ。

 そんなわけで、写真のように壁と木彫裏面に金具を取り付けた。「鷲の帽子掛け」は見事に壁に密着した。多少乱暴に帽子の掛け外しをしてもビクともしない。満足である。

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