リオ五輪閉幕翌日に『狸御殿』を観て、2020年は宮本亜門だと直感2016年08月23日

 リオデジャネイロ・オリンピック閉会式の実況中継を観た翌日(8月23日)、新橋演舞場で和製ミュージカル『狸御殿』を観た。チケットを手配したのは数カ月前で、オリンピック閉会式翌日の観劇と気づいたのは数日前だ。演出は宮本亜門、出演は尾上松也、瀧本美織、渡辺えり、小倉久寛など。エンタメ・ミュージカルだからストーリーが他愛ないのは当然で、歌と踊りとコミカルな演技で舞台は進行する。

 古来、多くの人々を楽しませてきたのは、こういう華やかな祝祭的な舞台だったのだろう、などと思いながら舞台を眺めていて、前日に観たオリンピック閉会式の映像と舞台上の舞踏が重なってきた。そして、2020年の東京五輪の開会式の演出家は宮本亜門だと直感した。蜷川幸雄が存命でもっと若かったら文句なく「世界のニナガワ」だったのだが・・・。

 そう言えば、リオ五輪のテレビ中継に宮本亜門氏がゲスト出演していた。また、私の聞き違いでなければ『狸御殿』の舞台では1964年の東京五輪のファンファーレも流れた。そして、フィナレーの後の舞台を観て、私の直感はより強くなった。

 芝居が終わり緞帳が下り、拍手の中で再び緞帳が上がる。カーテンコールと思いきや、そこから短い舞台ショーが始まった。ヒロイン(瀧本美織)の「さくらさくら」独唱やヒーロー(尾上松也)の和太鼓などを含めた出演者総出の華やかなショーで、最後は全員が舞台に正座し尾上松也が歌舞伎の口上挨拶で締める。東京五輪の開会式か閉会式の1シーンを幻視した気分になった。